研究課題/領域番号 |
19K12785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
満田 憲昭 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10314329)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Cyclin D3 / プロテアソーム / 赤血球分化 / 脱核 / Cdk4/6阻害剤 / Fbxl20 / 幹細胞 / 赤芽球 |
研究開始時の研究の概要 |
赤芽球の脱核は、生体の循環機能や呼吸機能の維持に重要な役割を果たしているが、その分子機構については未だにほとんど解明されていない。また現在、輸血用の赤血球は献血により100%賄っているが、その安定的な供給のために、造血幹細胞やiPS細胞からの成熟赤血球の人工的作製技術の確立が期待されている。そのなかで問題となっているのは、最終分化過程である脱核の効率の低さである。 本研究においては、赤血球の最終成熟過程において起こる脱核現象のメカニズムを解明し、その制御方法を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
細胞周期制御因子Cyclin D3はCdk4と複合体を形成しキナーゼ活性を発揮させることが知られている。申請者は赤芽球脱核時にプロテアソームによってCyclin D3が分解されることやCyclin D3の分解を人為的に遅らせることにより脱核の進行が遅れること、またその脱核の遅れがCdk4阻害剤の添加によりキャンセルされることを見出した。これらの結果から、プロテアソームによるCyclin D3-Cdk4複合体のキナーゼ活性の低下が赤芽球に脱核を誘導するトリガーであり、それを制御することによって赤芽球の脱核効率を改善できると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性的な輸血用血液不足や献血における未知の感染症の問題から、献血に頼らない新たな輸血用血液の供給システムの確立が必要とされている。そのためには多分化能を有する細胞から赤血球を作製する試みがなされているが、脱核の効率が悪く実用化に至っていない。申請者はプロテアソームによるCyclin D3の分解が脱核を誘導するトリガーであり、これを制御することによって赤芽球の脱核効率を改善できる可能性を見出した。本研究結果から、多分化能を有する細胞から効率よく赤血球を作製する薬剤の開発が可能となれば、社会的意義は極めて大きい。
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