研究課題/領域番号 |
19K12803
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 信州大学 (2021-2022) 奈良女子大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
橋本 朋子 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (10589930)
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研究分担者 |
山岡 哲二 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (50243126)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | シルク縫合糸 / 吸収性 / 抗菌性 / 縫合糸 / 生分解 / 抗菌 / 生分解性 / シルク |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では、緩やかな生分解に伴い抗菌性分子を徐放する生分解性シルク縫合糸の創出を目的とする。これまで、シルクのタンパク質二次構造を変化について検討しており、この技術を縫合糸へ適応し、シルク縫合糸に様々な生分解特性を付与する。さらに、手術部位感染の低減を目指し、抗菌スペクトルが広く安全性が高い抗菌性分子を縫合糸に固定化し、創部からの徐放を制御する。得られた知見より、「生分解性」と「抗菌性」を兼ね備えた縫合糸の創出につなげる。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、合成由来の既存吸収性縫合糸に比べ、緩やかに生分解・吸収され、さらに生分解・吸収に伴い抗菌性分子を徐放する新しいシルクフィブロイン縫合糸の創出を目指して各評価・検討を進めた。またさらに、新規ペプチド型抗菌分子を設計・合成し、シルク糸への固定化を試みた。 オートクレーブ(AC)処理とメタノール水溶液への浸漬処理を組み合わせることで、緩やかに分解・吸収される特性を有するシルク縫合糸を作製した。また、AC処理によりシルク糸に固定化でき、生理的条件下で緩やかに放出され、生体への安全性が高い新しい抗菌性分子の創出に寄与する知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦において2000年代に腸線製のカットグットの使用が禁止されて以降、使用されている吸収性縫合糸は全て合成由来である。また近年は、吸収性の有無によらず、新しい素材を使った縫合糸は世界的にも上市されていない。さらに、手術予後のSSI回避のためには、一定期間の抗張力維持と共に抗菌活性の維持が求められるものの、既存の抗菌剤コーティング生分解性縫合糸では、効果的なSSI回避が示されていない状況にある。このような動向の中、本研究で得られた糸の生分解・吸収のメカニズム、抗菌分子の徐放制御に関する知見は、学術的にも意義があり、また新しい製品の可能性として社会的意義をも有すると考えられる。
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