研究課題/領域番号 |
19K12815
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
安永 茉由 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (70712181)
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研究分担者 |
廣瀬 志弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (80415736)
伊藤 敦夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (30356480)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 表面形状 / ジルコニア / 間葉系幹細胞 / 骨分化 / 細胞接着 / 脂肪由来間葉系幹細胞 / 脂肪分化 / 神経幹細胞 / 分化 / 生体材料 / 細胞内エネルギー代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
足場材料の表面に施したナノ周期構造が間葉系幹細胞の接着形態に影響を与え、骨分化を促進することを明らかにし、周期構造を変化させることで「初期細胞接着面積が小さい程、骨分化能が高い」という逆相関の関係を見出した。一般的に細胞接着が弱い場合、細胞状態が悪い、足場材料が不適といったマイナス評価を受けるが、当該現象はこれまでの常識とは異なるものであるため、その普遍性やメカニズム解明が求められた。本研究では、①当該現象が幹細胞全般に当てはまる普遍的な現象であるかを明らかにし、細胞の接着・脱着に要する細胞内エネルギー代謝と分化能との関連性に着目し、②低接着細胞における分化促進メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
近年、足場材料の表面形状が細胞機能に影響を及ぼすことが明らかにされ、表面形状は新たな幹細胞の分化調節因子として注目されている。我々はジルコニア表面に施したナノ周期構造がラット骨髄由来間葉系幹細胞の接着面積を減少させ、骨分化を促進することを明らかにした。さらに当該現象はラット脂肪由来間葉系幹細胞でも見られ、骨髄由来間葉系幹細胞に限定して生じる現象ではないことを明らかにした。一方、当該現象は脂肪分化には影響しないことから、限定された分化方向にのみ生じる現象である可能性が考えられた。現在、網羅的遺伝子発現解析データを元に、そのメカニズム解明を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般的に細胞接着が弱い場合、細胞状態が悪い、足場材が不適といったマイナス評価を受ける。申請者の見出した低接着幹細胞程、骨分化能が高いという現象はこれまでの常識とは異なるものであるため、本研究の学術的意義は高い。低接着細胞における分化促進メカニズムが明らかになれば、細胞機能を向上させる培養方法や生体材料の開発に繋がると期待される。また再生医療分野において、初期細胞接着形態を指標にした幹細胞の品質評価方法としての応用も期待できる。
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