研究課題/領域番号 |
19K12822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西村 隆宏 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10722829)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 光線力学治療 / PDT / 術前治療計画 / 治療計画 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究では,光線力学治療(PDT)の作用を計算するシミュレータを開発し,最適な光照射条件を提示する治療計画システムを実現する.光感受性薬剤への光照射により生成される活性酸素量を基にPDTの殺細胞過程をモデル化し,術前のMRIやCTデータから最適な光照射条件を提示する治療計画システムを開発する.実現に向け,PDTにおける作用機序モデルの構築,光感受性薬剤や生体組織に関する物理・化学パラメータの実測,光照射条件の最適化アルゴリズムの実装を行う.さらに,臨床データとの比較から本手法の有効性を明らかにし,PDTの迅速で幅広い臨床展開へ貢献する治療計画のための技術基盤を構築する.
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研究成果の概要 |
光線力学療法(PDT)は光増感剤とレーザー照射に基づく低侵襲ながん治療法である.原発性悪性脳腫瘍を対象としたタラポルフィンナトリウムを用いたPDTは,外科切除後の遺残腫瘍に対して実施される.治療において,レーザー照射による組織内光分布が抗腫瘍効果に影響するため,各組織形状に応じて組織内光伝搬を考慮した適切なレーザー照射位置の設計が必要である.本研究では,組織内光分布の定量比較と焼きなまし法に基づくレーザー照射位置条件の最適化を提案・実装した.本研究により,過剰照射を避けつつ治療領域へのレーザー照射範囲を最大化するレーザー照射位置・角度の設定が可能になった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
標的対象へ光感受性薬剤を選択的に集積させ,光照射により治療する光線力学治療(PDT)では,低侵襲で有効的なガン治療が可能である.現在までに多くの臓器の悪性腫瘍に対する臨床応用が示されているだけでなく,我が国においてはこれまでに早期肺がん,早期食道がん,胃がん,早期子宮頚がん,原発性悪性脳腫瘍に対するPDTが保険適応されており,良好な成績が示されている.本研究成果は,PDTにおける光照射条件を決めるための治療計画手法を提供するものであり,PDTのより安全で効果的な実施や迅速な適用範囲の拡大につながると期待できる.
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