研究課題/領域番号 |
19K12830
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
原 秀剛 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (80381424)
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研究分担者 |
村石 浩 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (00365181)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | X線CT / 脳梗塞 / 逐次近似画像再構成 / 救急医療 / ファントム / 逐次近似画像再構成法 / 被ばく線量 / 急性期脳梗塞 / CAD |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,死亡率原因の第4位及び寝たきりになる原因の第1位である脳血管障害の診断に欠かすことのできない画像診断検査の診断能向上を目的とする.近年,増加傾向にある虚血性脳血管障害の診断は,救命救急時の利便性,簡便性及び普及率からX線CTによる描出が望まれるが,描出困難とされている現状にある. そこで,本研究ではX線CTにおける急性期脳梗塞の描出に着目し,新しい画像再構成法である「逐次近似画像再構成」で取得可能なCT画像を対象に描出のための課題を明らかにし,救急医療においての診断能向上を目的としている.
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研究実績の概要 |
わが国における死亡率原因の第4位及び寝たきりになる原因の第1位は脳血管疾患(脳卒中)であり,日本は特に脳出血が多い国として有名である.近年は,食生活の欧米化や生活習慣病の増加に起因する脳梗塞が問題視されている.一方,世界的にもWHOによる発表において死亡率原因の第3位にランクインし,今なお予防管理の重要な疾患である.我々は脳卒中の画像診断支援法の確立をめざし,疾患検出のための画像処理やX線CTによる描出能及び撮影条件評価を目的にファントム開発を継続的に行ってきた. 2023年度においては,急性期脳梗塞模擬ファントムによる逐次近似画像再構成法CTの撮像手法の開発について画像再構成法のパラメータの検討と視覚評価(ROC解析,一対比較法)を主に研究を行った.昨今,医療現場に登場したX線CTの画像再構成法である逐次近似画像再構成法(Iterative Reconstruction:IR)は,繰り返し演算による画像上のノイズ成分の大幅な低減が期待され,低コントラストの描出のための撮像パラメータを検討した.結果,逐次近似CTでは,逐次近似再構成(forward projected model-based iterative reconstruction)のFIRST Brain LCDの再構成パラメータにおいて, 400mAs以上の撮影条件で急性期脳梗塞のコントラスト向上に成功し,早期検出による臨床適応の可能性が明らかとなった.ROC解析と一対比較法による視覚的評価を導入し,上記の物理的評価と比較を行った結果,ほぼ同一条件による検出が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一時期、コロナウィルス感染症の蔓延によるCT実験の延期や時間的制約を受けていたが、2023年度は、CT実験を予定通り、急性期脳梗塞模擬ファントムによる逐次近似画像再構成法CT実験を遂行することができた。 主に急性期脳梗塞の早期検出を目標に画像再構成法のパラメータの検討と視覚評価(ROC解析,一対比較法)を行い、両者の結果が相関関係を示した。
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今後の研究の推進方策 |
急性期脳梗塞の早期検出を目標に、逐次近似画像再構成法のパラメータの検討によるCNR等の物理評価と視覚評価(ROC解析,一対比較法)を行い、両者の結果が相関関係を示したが、完全に一致している訳ではない。そこで、新たな画像評価指標であるdetectability index等の画像解析手法を導入予定である。
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