研究課題/領域番号 |
19K12867
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 大阪歯科大学 (2022) 和歌山県立医科大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
山本 景一 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70416387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 人工知能 / リアルワールドエビデンス / 可視化 / 医療ビッグデータ / 薬剤治療 / コンピュータブルフェノタイプ / AI / 診療データ / 病名 / 電子カルテ / レセプト / 臨床研究 / 疫学研究 / 臨床研究情報学 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国ではMID-NET、NDB、千年カルテその他電子カルテやレセプトデータ等を活用する医療ビッグデータの大型国家プロジェクトが多数実施されている。しかし、我が国の電子カルテに登録されている病名情報は、いわゆる「レセプト病名」で、精度が極めて低い。我が国の臨床研究のコスト削減と効率化のために、AI(機械学習)の活用が期待されている。本研究において、AI技術を利用し、専門医がAIと対話型で電子カルテに格納された病名の精度を検証する「対話型電子カルテ病名精度検証システム」の開発を行う。本研究により、我が国の電子カルテやレセプトを集積した医療ビッグデータの研究利用が加速することが期待される。
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研究実績の概要 |
当初の研究計画では単にAI技術を用いて電子カルテから候補となる複数の病名を示し医師がインタラクティブに正解の病名を算出するような数理モデルの構築を検討していた。しかし、医療でのAI利用の進展は目覚ましく、すでに新規性が乏しくなっている。本研究では、単に病名や症状を類推するだけでなく、我が国を代表する大規模リウマチ疾患多次元時系列データベースである京都大学のKURAMAコホートを対象に、エネルギーランドスケープ解析と時系列クラスタリングという手法を組み合わせて、時系列で刻々と変遷する患者の「状態」を治療効果と関係付けて可視化する数理モデルの開発を行った。現在の診療は、個々の患者の具体的な治療方針は初診から現在までの臨床評価で得られるデータや治療歴を基に判断され、将来の状態遷移については医師の臨床経験に基づく推測に依存している。薬物治療により刻々と変化する患者の状態を時間依存的に解析することにより、治療効果の顕著な時期と期間を定量的に示すことができた。従来の診察時の臨床評価に加え、日々の診療の中で状態変動性を評価することで、治療全体の状態遷移の中での現在の状態の位置づけの把握と、今後遷移する状態の予測が可能となる。本研究により、治療経過全体を考慮した治療計画最適化の可能性が示唆された。我々の提案する解析手法は、医療における多次元時系列データの可視化手法としてリアルワールドデータを活用した個別化医療の発展に寄与することを期待している。次 春季医療情報学会シンポジウム2023に演題投稿を行い口演で採択された。次年度中に論文の採択を目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症対策のため、ほとんど研究を実施することができなかった時期があった。研究期間をさらに1年延長し、次年度内に論文採択を目指したい。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究として、京都大学、大阪市立大学、大阪電気通信大学で研究グループを構成し、研究を遂行中である。京都大学のリウマチ疾患時系列データを利用し、京都大学と大阪市立大学の研究者に医学的アドバイスを受け、数理モデルの開発は大阪電気通信大学の研究者と共同で行っている。次年度中の論文採択を目指したい。
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