研究課題/領域番号 |
19K12881
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
中村 明生 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (00334152)
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研究分担者 |
武川 直樹 東京電機大学, システムデザイン工学部, 教授 (20366397)
小林 春美 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60333530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 空間知覚 / 光学的流動 / モダリティ変換 |
研究開始時の研究の概要 |
視覚健常者が環境中を自由に歩行できるのは,包囲光配列の光学的流動(オプティカルフロー)として視覚的な変化・差分情報から移動可能な空間情報を取得しているからである.本研究では,光学的流動を模擬した触覚的情報により空間の変化・差分情報を提供することで,視覚障がいを持つ人の歩行を支援することを最終的な目的とする.触覚・振動刺激変換後の知覚の仕組み,変換方法や提示方法の適切性を明らかにするため,(A)理論提案(モデル化),(B)振動刺激への変換・提示方法の検証,(C)システム開発のフェーズをサイクル的に実施して学術的知見の理論検証及び工学的手法確立を行う.
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研究成果の概要 |
生態光学の知見では,視覚的な変化・差分情報である光学的流動(オプティカルフロー)が人間の環境理解・空間知覚に重要であるとされている. 本研究では,視覚・距離情報から触覚・振動刺激へモダリティ変換を行っても,変化・差分情報によって空間情報が伝達され,歩行時環境知覚に有効であることを確認する.2次元距離センサ,及び頭部周囲に配置した5つの振動モータを搭載した頭部装着型デバイスを開発した.被験者実験を通して,障害物への距離定位や接触,面配置把握,開口部定位や通過の可能性を確認した. 各種センサデータの統合的分析についても知見を得,人間の環境理解・空間知覚過程に関して発展的な検証への準備が整いつつある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は,視覚・距離情報から触覚・振動刺激へのモダリティの変換を伴いつつ,人間の環境理解・空間知覚の成立過程の検証と解明を目指す点にある.光学的流動を模擬し,モダリティを変換しても変化・差分情報が有効であることを示す.工学的には,環境情報を機械に解釈させずに直接人間が取得し解釈することで,人間の認知特性に合致する知覚支援が可能となる点である.これにより,視覚障がい者,特に中途失明者の支援システムの開発に貢献できる可能性がある点が社会的意義である.
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