研究課題/領域番号 |
19K12891
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
敦賀 健志 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (60337011)
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研究分担者 |
田中 敏明 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40248670)
加藤 士雄 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (40760260)
野村 知広 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (90593492)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 滑り / 転倒予防 / 注意喚起 / IoT / 加速度 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトが「滑り」と感じる足部の動きを具体的に特定し、その動きを計測する機器を製作する。この機器を装着して屋外を歩くと、滑りやすい場所を見つけることができる。そして、多くの人が機器を利用することで、その地域の滑りやすい場所を把握できるので、そこに近づく人に対してスマートウォッチのような端末を介して注意喚起の情報を送る。このような仕組みで転倒防止効果を高めるシステムを構築することが本研究の概要である。
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研究実績の概要 |
本年度は、滑りを擬似的に呈示するシステムを用いて、ヒトが滑りと感じる条件(加速度など)を特定し、それを計測する計画であったが、コロナ禍の影響で計測が進まないため、他分野の滑りに関する文献を参考に、転倒時の足部の挙動(加速度)を計測するユニットの製作を進めた。 浴室での転倒を参考にすると、転倒に至る滑りにおける足部の加速度はばらつきが多いものの平均2[G]程度との報告がある。計測ユニットはヒトへの装着を考えた場合、小型軽量であることが望ましい。そこで今回は、Arduino Nano 33 BLE sense(以下、Nano33)を用いることとした。Nano33は小型軽量であり、3軸の加速度、角速度、地磁気計測に加え、Bluetooth通信も可能である。しかし、Nano33は直接的に角度を計測することができない。センサの角度は足部の接地角度を計測し、歩行の進行方向加速度を算出するうえで必要な情報である。そこで3軸の加速度と角速度から角度の算出を試みた。角速度を積分することで角度の算出は可能であるが、積分誤差の累積によるドリフトが発生しやすい。そこで加速度の情報も加味したセンサフュージョンにより角度の算出を行った。その結果、鉛直方向を0[deg]とし前後方向±40[deg]の範囲に10[deg]刻みで、ユニットを傾けたときの誤差は1[deg]未満であった。また、60[min]の間、ランダムに傾けた際の積分誤差の累積は0.1[deg]未満であった。これらのことから、Nano33は足部の角度を計測する上で、精度および計測時間において有用であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では、ヒトが「滑り」と感じる足部の動きの要因を明らかにし、「滑り」を検出する計測ユニットの製作と評価を行った上で、データ集約用データベースや情報提示用アプリの開発を行う予定であった。しかし、ヒトが「滑り」と感じる足部の動きの要因究明については、外乱刺激呈示システムの改良やモバイル計測ユニットの製作などを進めてきたが、予定していた被験者による実験が、コロナ禍により実施困難となったため、計画に遅れが生じている。 よって、当初の計画からすると「遅れている」と判断せざるを得ない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の進め方に関しては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に変更されたことを踏まえ、感染予防に配慮をした上で、被験者による計測を実施していく予定である。また、先行してヒトの足部の動きを計測するユニットの製作を進めているので、計測ユニットの有用性を確認していく。具体的には、3軸の加速度、角速度、地磁気計測に加え、Bluetooth通信も可能なArduino nano 33 BLE senseを採用し、モバイル計測ユニットとした。今後は、モバイル計測ユニットを傾斜させた状態で加速度を計測した際の精度などの検証を行い、不具合を改善していくことでモバイル計測ユニットの完成度を向上させて行く予定である。
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