研究課題/領域番号 |
19K12931
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
|
研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
小手川 正二郎 國學院大學, 文学部, 准教授 (30728142)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 哲学 / 倫理学 / レヴィナス / 現象学 / ジェンダー / 家族 / フェミニズム / フェミニスト現象学 / ジェンダー論 / 家族論 / 反出生主義 / 性差 |
研究開始時の研究の概要 |
レヴィナスの哲学的議論を現象学的伝統および同時代の文脈の中で正確に理解し直し、従来は切り離して論じられがちだった性差論と家族論の結びつきを詳らかにする。 そうして取り出されたレヴィナスの性差論をフェミニスト現象学の文脈において再評価し、男性的・女性的身体性の現象学的分析につなげる。家族論の方は現代の家族論、とりわけ英米圏において議論されている家族倫理学と比較検討し、家族関係の現象学的分析を試みる。
|
研究実績の概要 |
レヴィナスの現象学的哲学の企図を、現象学的倫理(第一哲学としての倫理)という観点からの「哲学」と「倫理学」の抜本的な変革の試みとして包括的な観点から捉え直し、東京都立大学哲学会シンポジウム「今なぜ現象学なのか」において「現象学とイデアリスム――レヴィナスの現象学的倫理」というタイトルで7月に発表した。当日の議論の内容などを取り入れ、発表を活字化したものを同じタイトルで東京都立大学哲学会『哲学誌』に掲載した。 また、「現れること」と倫理との関係をデカルト、マードック、斎藤慶典といった哲学者の思考を手がかりに包括的な観点から再考し、ジェンダーや人種といった視点の重要性についても取り入れたうえで「他者とともに見る」ことの可能性を探り、「現れを迎え入れるという倫理」というタイトルで、荒畑靖宏・吉川孝編著『あらわれを哲学する――存在から政治まで』という論集に掲載した。 以上の研究を通じてレヴィナスの哲学を現象学および現象学的倫理学という観点から捉え直す基本的な枠組みを構築することに成功した。レヴィナスの性差の現象学および家族の現象学についても、レヴィナス哲学の内在的観点からの検討と共に、その内容に即した具体的かつ応用倫理学的観点からの検討を進めた。このようにして、現象学的倫理の枠組みの中でレヴィナスの性差の哲学と家族の哲学を、従来の規範倫理学やメタ倫理学の前提を問い直す試みとして再評価するための準備作業を終えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初はレヴィナスの性差の現象学と家族の現象学をより包括的な観点から再評価し、その成果を国内・国際学会で発表する予定であったが新型コロナウィルスの感染状況に起因する海外渡航の困難さから国際学会で発表することが叶わなかった。また、国内の関連分野の研究者との意見交換も同様の理由で思うように進まなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
研究期間を延長し、レヴィナスの性差の現象学と家族の現象学をより包括的な観点から再評価し、その成果を国内・国際学会で発表することを試みる。また、諸学会に対面で参加することにより、国内の関連分野の研究者との意見交換もはかり、成果としてまとめていく予定である。
|