研究課題/領域番号 |
19K12941
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
小城 拓理 愛知学院大学, 総合政策学部, 准教授 (10733040)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 社会契約論 / ロック / フィルマー / 同意 / 多数決 / マイノリティ / マジョリティ / 移民 / 難民 / 国籍 / 成員資格 / 市民権 / ジョン・ロック / デイヴィッド・ヒューム / 政治的責務論 / 同意論 / 公正原理 / 正義の自然的義務 / 関係的責務論 / 倫理学 / リベラリズム / リベラル・ナショナリズム |
研究開始時の研究の概要 |
日本は少子化により人口減少時代を迎えつつある。こうした中で海外からの移民の受け入れが議論されている。こうしたことを背景に、本研究は日本が採るべき移民政策の基盤となる規範理論の探究を目的とする。そのために本研究は、現在移民の倫理学研究が盛んである英米圏の諸理論の分析を通じて、あるべき日本の移民政策を模索する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は日本の現状を踏まえた移民の倫理学を構築することである。この目的を達成するため昨年度は反契約論の代表としてフィルマーとそれに対するロックの反論を研究した。フィルマーの契約論批判は二つに集約される。第一に歴史的批判である。これは歴史上契約など存在しないというものである。第二に規範的批判である。これは契約論者が採る多数決が不当だというものである。つまり、人間の生来の自由と平等を前提にするならば、少数派であるというだけで多数派に服従しなければならないのは正当化できないというものである。これに対してロックは第一の批判に関しては契約論がそもそも国家の成り立ちを歴史的に説明するものではなく、規範的に正当化するものであることを示した。第二の批判に関してはロックは自然状態の人間の同意内容に多数者への服従義務を盛り込むことで多数決を正当化した。以上の研究によって本研究は移民の倫理学において契約論を規範理論として用いることのみならず、マイノリティの地位の保全について重要な示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献研究は順調であるが、コロナ禍のため海外及び国内研究出張ができなかったことから、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
文献研究はこれまでと同様遂行していく。他方、コロナ禍が終息しつつあるとはいえ、海外及び国内研究出張の見通しは不透明であるため、オンラインを活用するなど進捗を図っていく。
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