研究課題/領域番号 |
19K12947
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 東京大学 (2022) 京都大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
川本 佳苗 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員 (40781688)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ミャンマー / 上座部仏教 / 瞑想 / マインドフルネス / パオ瞑想 / ヴィパッサナー / 禅定 / サマタ / パオ仏教瞑想 / 仏教瞑想 / パーリ三蔵 / テーラワーダ仏教 / パオ / アビダンマ / 清浄道論 / 上座仏教 |
研究開始時の研究の概要 |
仏教瞑想とは何か。本研究では、この問題を追究するためにミャンマーのパオ仏教瞑想の実践者に対する分析を通して、禅定という深い集中力がもたらす効果と影響を明らかにする。。本研究では、禅定を必須とするミャンマーの高僧パオ・サヤドー氏(1934~)の提唱する瞑想法を仏教社会における禅定復興運動と位置づける。その上で、パオ瞑想を実践するミャンマー人・日本人・それ以外の国籍をもつ実践者を対象とし、実践者の体験とパーリ仏教文献における禅定の解釈とを比較検討する。その結果から、実践者の考える集中力の意味を明らかにする。結論として「仏教瞑想とは何か」という大きな問いに、一つの答えを提示することを目指す。
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研究成果の概要 |
2019年度では、ミャンマー現地調査および国内調査を行い両国の瞑想実践の場への参与観察・インタビューを開始した。調査報告として国際学会ICAS(オランダ)と日本宗教学会、宗教社会学の会で口頭発表した。平行してミャンマーで収集した文献の翻訳、インタビュー内容の翻訳と文章化を行った。 2020年度以降、新型コロナウイルスの感染拡大と政情不安とにより渡航制限を受け、ミャンマーでの調査を中止した。それに伴って一部直接経費を国内調査用に変更し、期間も1年延長してパオ瞑想を実践する日本人の国内調査に焦点を当てた。2020年10月、「パオ瞑想法におけるサマタ瞑想」(『サンガジャパン』36号)を出版した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、上座部仏教社会の動向との関連から「瞑想とは何か」という問いに答えを提示しようと試みた点にある。第一に、現在、仏教瞑想として関心を集めるマインドフルネスではなく、その大衆化に至る歴史的過程において周縁化された禅定という実践に注目した。第二に、禅定の実践が復興しつつある潮流にも注目し、禅定を修行する者が得ている集中力や心の静けさといった精神的価値が現代社会において不足し、だが必要とされるものであるからこその復興であるという原因を分析した。 仏教文献研究だけでなく現地調査にも基づく本研究は、瞑想と社会との関わりおよび現代社会における瞑想の効果という社会的意義にも貢献した。
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