研究課題/領域番号 |
19K12949
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
大塚 恵俊 大正大学, 仏教学部, 非常勤講師 (20774582)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インド密教 / 儀礼 / 実践 / アビシェーカ / 灌頂 / 宝楼閣経 / 『宝楼閣経』 / インド初期密教 / 儀礼実践 / インド初期密教文献 / 初期インド密教 / 密教儀礼 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、インド密教の入門儀礼として知られるアビシェーカ(灌頂)儀礼の最初期の形態と機能について、文献学的手法により明らかにすることを課題とする。その研究計画の概要は、以下の二点にまとめられる。 ① インド密教最初期のアビシェーカを説く初期密教文献を扱い、当該箇所の校訂テキスト、訳註、グロッサリーを作成して、その内容を精査する。 ② ①の成果にもとづいて、インド密教最初期のアビシェーカの形態と機能を明らかにし、アビシェーカがインド密教の入門儀礼として確立されていく過程を描き出す。
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研究成果の概要 |
本研究課題の主たる目的は、初期インド密教経典に規定されるアビシェーカ儀礼の特徴を考察することである。そのために、密教の様々な儀礼実践の初期形態を探る上で最も重要な経典の一つである『宝楼閣経』を中心として、関連文献を精査した。 『宝楼閣経』第3章に説かれるマンダラ儀則のサンスクリット語およびチベット語の試験的校訂テキストを報告した。そして、『宝楼閣経』に規定されるアビシェーカ儀礼の主な目的は、儀礼対象者に一種の授記を与え、さとりを得るという目的に向かって努力するように奨励することにあることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題は、従来ほとんど手つかずの状態であった初期インド密教文献の文献学的研究に取り組み、当該研究分野における基礎研究の構築に寄与したといえる。また、密教儀礼の中心を担うアビシェーカ儀礼を取り上げて、その最初期の形態と機能を明らかにすることで、儀礼実践の側面から、インドにおける密教の形成と展開に関する新たな知見を提示した。 これらの研究成果は、密教が伝播した東アジアの広範囲において、今なお実践されている密教儀礼の祖型を明らかにするための研究の一助となり得るものである。また、文化人類学や宗教学といった近接する学問分野に対しても、有益な波及効果を期待することができる。
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