研究課題/領域番号 |
19K12950
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 東洋大学 (2020-2021) 目白大学 (2019) |
研究代表者 |
園田 沙弥佳 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (20834857)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | インド後期密教 / 初期密教経典 / パンチャラクシャー / 女神 / マーリーチー / ヴァーマナ・プラーナ / 根本説一切有部律 / ヴァイシャーリー疫病消除説話 / ヴァイシャーリー・プラヴェーシャ / 五護陀羅尼 / 『大寒林陀羅尼』 / チベット大蔵経 / 陀羅尼 / ラーフラ / ヒンドゥー教 / マハーマーユーリー / 『サーダナマーラー』 / インド密教 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、初期密教経典に属する五護陀羅尼(Pancaraksa)、および、インド後期密教において女神として神格化された五護陀羅尼明妃を取り扱う。五護陀羅尼とは特定の5種の陀羅尼経典の集成であり、その構成には2種の系統が存在する。本研究では主にサンスクリット・テキストや漢訳、チベット語訳等の文献研究を通じて両系統の特徴を比較考察する。併せてインド後期密教文献に説かれる観想上の姿や実際の作例、他の女尊信仰の特徴を検討し、通時的な視点から五護陀羅尼信仰の特色を解明する。
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研究成果の概要 |
「五護陀羅尼」Pancaraksaとは5つの初期密教経典の集成を示すほか、インド後期密教において経典が神格化された5尊の女神を表す。本研究ではチベット語訳系統の五護陀羅尼経典および注釈書の翻訳研究を通じてその特色および他信仰との関連性を検討した。同時に、インド後期密教文献に属する『成就法の花環』等に説かれる観想上の姿や実際の作例と、陽炎が神格化されたマーリーチー等に見られる女尊の特徴を比較した。その結果、五護陀羅尼はその成立と神格化の過程において、ヒンドゥー教や『根本説一切有部律』等の影響を強く受けていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の五護陀羅尼研究ではサンスクリット・テキスト系統の経典がそれぞれ単独で取り扱われることが多く、チベット語訳系統や五護陀羅尼の神格化を含めた包括的な研究は少なかった。さらに、サンスクリット・テキスト系統の五護陀羅尼と比べて、チベット語訳系統の五護陀羅尼の具体的な内容は明確ではなかった。 本研究によって、チベット語訳系統の五護陀羅尼の具体的な内容構成や、経典の再構成、また、五護陀羅尼に属する女尊とその他の女尊信仰との比較考察を試みたことにより、五護陀羅尼信仰を通じて初期密教から後期密教への宗教的機能を明らかにした。
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