研究課題/領域番号 |
19K12952
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 岐阜大学 (2020-2022) 国際仏教学大学院大学 (2019) |
研究代表者 |
横山 剛 岐阜大学, 高等研究院, 特任助教 (10805211)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | インド仏教 / 最後期 / アビダルマ / 説一切有部 / 基礎学 / ダシャバラシュリーミトラ / 有為無為決択 / 牟尼意趣荘厳 / インド仏教最後期 / 中観五蘊論 / 倶舎論 |
研究開始時の研究の概要 |
インド仏教において大きな勢力を誇った説一切有部の教理は、大乗仏教の成立と展開の基礎となった。本研究では、有部の教理が有する基礎学としての性格に注目して、インド仏教最後期の論書が伝える有部説について研究する。その中でも、ダシャバラシュリーミトラ(1100-1170年頃)の『有為無為決択』の第二章から第十二章において紹介される有部説を文献学的に研究することで、インド仏教最後期の論書が伝える有部説の内容を明らかにする。また、有部内のいかなる系統の教理がインド仏教の最後期へと伝えられたのか、大乗仏教の教理的な影響の下で本来の有部の教理からどのような変容を遂げたのかという点を明らかにする。
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研究成果の概要 |
インド仏教において大きな勢力を誇った派閥のひとつに説一切有部がある。本研究では、ダシャバラシュリーミトラ(12世紀頃)が著した『有為無為決択』を用いて、有部の教理がインド仏教の最後期へと伝承される際の系譜や教理的な展開の解明に取り組んだ。この研究を通じて、インド仏教の終焉期へと伝えられた有部説の具体的な内容が明らかとなった。また、大乗仏教の思想にもとづく教理的な改変が部分的になされていることが確認された。以上の結果は、インド仏教において有部の教理が基礎学として確固たる地位を占めいていたことを示すとともに、大乗仏教が興隆した後も有部の教理が連綿と伝承されていた事実を示すものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ダシャバラシュリーミトラ著『有為無為決択』を用いて、インド仏教において大きな勢力を誇った説一切有部の教理がインド仏教の最後期まで伝承される際の系譜や教理的展開の解明に取り組んだ。この研究を通じて、有部の教理が仏教の基礎学として重視され、大乗仏教の思想の影響を受けながらも、インド仏教の終焉期まで連綿と継承されていたという事実とその内容が明らかとなった。これによって、有部の教理が部派仏教を代表する思想であるにとどまらず、インド仏教全般においてその基礎を支える知識としての役割を果たしていることを具体的に示すとともに、仏教研究における有部教学の重要性を改めて提示することができた。
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