研究課題/領域番号 |
19K12954
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
喜田川 たまき (渡邉たまき) 筑波大学, 人文社会系, 助教 (50721685)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 植物の象徴性 / 食と薬の宗教的意味 / 文化の多層性 / 食薬植物 / 聖者信仰 / 北アフリカ / 食の宗教的意味 / アイデンティティ |
研究開始時の研究の概要 |
北アフリカ地域は高い乾燥傾度に適応したユニークな植生と文化・習慣の多様性があり、人的・文化的交流のダイナミズムとそれらの共存・融合形態が観察できる重要な研究フィールドである。本研究の目的は、北アフリカ地域の主要な産出品となって歴史的に地中海経済を支え、また彼らの生活の基盤となった食用・薬用植物の文化・宗教的意味を文献及び現地調査によって明らかにすることである。先の研究により解明されたチュニジアにおけるオリーブ聖者複合のパターンが、他のマグレブ地域にも同様、あるいは変容をもって実践されているのかを研究していく。それにより文化が重なり合い共存している北アフリカ地域の多層文化構造を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は8月まで育児休業を取得していたので、9月の研究再開以降の活動を報告する。
1. 資料収集:国内で入手可能な文献を収集し調査を進めた。調査においてみられるオリーブなどの食薬植物をめぐる慣習を、食の体験的な意味、祝祭性から俯瞰するため、民俗学、人類学、文化地理学の資料を収集し、北アフリカの植物をめぐる信仰・宗教的慣習への考察を深めた。他方、周辺主要文化との比較による多層文化構造の解明のため、西ヨーロッパにおけるオリーブの文化的受容や近代におけるそうした習俗の残存に関する資料も収集した。 2. 現地調査:令和5年度に予定していた現地調査は、育児休暇中であったことと、子供がまだ乳児であったため数週間にわたる海外出張が困難であり、実施できなかった。 3.データ分析、発表:北米でのオリーブオイルの宗教的価値調査で得られた情報を整理し、統計データを分析し、仮想的なオリーブオイルに付与された「宗教・文化的価値」が、カリフォルニアの消費者のオリーブオイル購買行動にポジティブなインパクトを与えていることが見出された。「宗教・文化的価値」がオリーブオイルに高付加価値化をもたらす可能性があるという結果をもとに国際学術誌への投稿に向けた執筆を進めた。また、北アフリカの伝統社会の考察を進めるにあたって「伝統」概念を再考するため、「伝統主義」と宗教学の理論的接点を研究史から考察し、8th International Conference on Research in Social Sciencesにおいて研究成果の発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナの影響で現地調査の実施に遅れがあり、また出産、育児により予定していたタイミングでの現地調査実施が困難になった。そのため実施期間を延長して研究の遂行を図っている。文献資料調査および成果発表については、研究再開後は順調に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
育児中であるため予定していた頻度の現地調査を行うことは難しいが、令和6年度中には最低1回のモロッコでの現地調査を実施予定である。さらに、もう一年度延期を要請して、予定していた情報を集めるに足る現地調査を行う予定である。 文献資料調査および成果発表については、これまでどおり進める予定である。
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