研究課題/領域番号 |
19K12956
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2020-2022) 長崎大学 (2019) |
研究代表者 |
伍 嘉誠 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (90808487)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 社会運動 / 宗教 / ナショナリズム / 香港 / キリスト教 / クリスチャンナショナリズム / 社会活動 / デモ / 信仰の自由 / 逃亡犯条例改正案問題 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化が進む中、ヒト・モノ・カネ・サービスの流動が自由により、アジア諸国に経済的な豊かさがもたらされている一方で、国家・地域間による経済的・政治的競争が激しさを増し、自らの「文化」や「権利」を保護しようとするナショナリズムの動きが急進化している。香港では中国大陸からの政治・経済的支配へ反発し普通選挙を求める「雨傘運動」が、台湾では中国大陸との貿易協定による経済的支配を懸念した市民による「ひまわり学生運動」が起こっている。これらの「合法―非合法」的社会運動において、中核的な役割を担ったのが宗教であった。本研究は、香港を研究事例とし、ナショナリズムの台頭と宗教の役割について明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、香港が、反逃亡犯条例改正運動、新型コロナウイルスの感染拡大、国家安全法の可決という、三つの大事件を迎える中で、調査研究を遂行することとなった。香港社会が激動する中で、宗教団体がどのような役割を果たしているのか、そして、中国返還後に台頭してきた香港ナショナリズムの意識・運動に対して、宗教-特にキリスト教-がどう対応しているのかについて、考察を行った。本研究から得られた新たな知見の一つとして、ナショナリズムの意識の高まりの中で、ごく一部の革新的なキリスト教コミュニティと、ナショナリズムとの間に化学反応が起こり、一種の「クリスチャンナショナリズム」が形成されていることがあげられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、返還後の香港社会において、社会・政治運動に長く関わってきた香港のキリスト教は、どのように高まるナショナリズムの意識・運動に対応しているのかを解明したことにより、返還後の香港における政教関係や、信教の自由、宗教の社会・政治運動の在り方の変化に重要な知見を与えた。また、本研究は、香港の事例を通して、ナショナリズムの形成とキリスト教とのかかわりを解明し、宗教の視点からナショナリズム研究に貢献できた。
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