研究課題/領域番号 |
19K12964
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 鹿児島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
町 泰樹 鹿児島工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (30725693)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ノロ / 奄美大島 / 神社 / ユタ / 外来宗教 / 継承 / 奄美 / 民俗知 / ノロ祭祀 / 地元新聞 / まなざし / 奄美の神社 / 文化資源 / 加計呂麻島 / 民俗宗教 / 神社神道 / 奄美群島 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、奄美大島南部のノロ祭祀をめぐる継承の問題について、神社との相互交渉を含めた現代的な展開、ならびに、それを可能にするノロ祭祀の担い手であるノロやユタ、地域住民の世界観や宗教認識を明らかにすることである。そのために、①大島南部のノロ祭祀に関する概略調査(2019年度~2020年度)、②継承のタイプ別重点調査(2021年度)、③ノロ祭祀の継承に関する比較研究(2022年度)を研究テーマとして設定し、フィールドワークと文献研究による調査を行う。従来、個別に論じられてきたノロ祭祀と神社について、両者の相互交渉過程に注目する点に本研究の独自性がある。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、奄美大島南部のノロ祭祀の継承について、神社との相互交渉を含めた現代的な展開、ならびに、それを可能にするノロ祭祀の担い手であるノロやユタ、地域住民の世界観や宗教認識を明らかにすることである。研究当初は、奄美大島南部の加計呂麻島にてフィールドワークを予定していたが、新型コロナウィルスの流行によって、それは叶わなかった。かわりに、ノロ祭祀等に関する地元新聞紙の記事分析、大島北部の笠利町における神社管理者からの聞き取り調査などを行った。これらの調査から、ノロ祭祀自体は断絶しているものの、祭祀場所や民俗知は地域社会の様々な文脈のなかで断片的に保持されていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ノロ祭祀やユタといった在地の宗教文化と外来宗教(神社神道)との相互交渉過程における在地側の主体性に着目する。これは近年の研究動向と重なるが、時期として戦前や明治維新期に主たる関心を寄せる従来の研究とは異なり、本研究では現在進行形の問題として宗教文化間の相互交渉過程を論じる点に新規性がある。本研究によって、当初の想定以上にノロ祭祀が断絶していること、他方で、ノロ祭祀の祭場等が地域住民の手によって、ノロ祭祀とは異なる文脈で保存・再建が果たされている事例が存在していること、実態としてのノロ祭祀が途絶えた後でも、それらに関する記憶から神社の管理者が選出される事例が明らかになった。
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