研究課題/領域番号 |
19K12967
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
久山 雄甫 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (70723378)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ゲーテ / ガイスト / 雰囲気 / 雰囲気学 / 生命史 / フンボルト / 世界文学 / カイザーリンク / プネウマ / 時間論 / 形態学 |
研究開始時の研究の概要 |
精神、霊、気風などさまざまに翻訳されるドイツ語のガイスト概念は、雰囲気的にひろがる「曰く言いがたいもの」を表しうる語である。とはいえその意味は、一八世紀から一九世紀にかけて急速に内面化・知性化・抽象化していったとされる。本研究では、ゲーテがまさにこの時代にガイスト概念の雰囲気的性格を「時」を媒介にして捉えなおし、「時を湛える雰囲気」というイメージを浮かび上がらせたという仮説を立て、これを検証する。
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研究成果の概要 |
本科研では、ゲーテの『メルヒェン』、『色彩論』、『西東詩集』、『ファウスト第二部』などを取り上げ、それらにみられる雰囲気の描写、および雰囲気的な意味でのガイスト概念の用法を検討した。また、トロクスラーやアレクサンダー・フォン・フンボルトらゲーテの同時代人におけるガイスト概念も、ゲーテとの比較項として考察した。その結果、ゲーテのガイスト概念の多義性のうち、特に(1)「時間論的・生命史的な含意」および(2)「新現象学における雰囲気概念への接続可能性」を解明することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゲーテのガイスト概念については世界的にも先行研究が少なく、本科研の成果をなす日英独語での論文および口頭発表は好意的な反響を得た。なお、これら諸概念と東アジア思想史における「気」概念との類似性についても、本科研では今後の研究の種を蒔くことができた。また本科研をひとつの基盤として創出された新学術領域「雰囲気学」は、思想史研究を分野横断的に展開させるプラットフォームとなるべきものであり、本科研の後継課題では、ゲーテのテキストに含まれていた雰囲気をめぐる知見の萌芽を、倫理学、芸術学、地理学などの諸分野との協働により、社会実装をも視野に入れた現代的視点から開花させたい。
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