研究課題/領域番号 |
19K12981
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
三城 桜子 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (80738120)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 音楽理論書 / イングランド / 初期近代 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,17世紀初頭のイングランドの音楽理論書を対象とし,当時の創作原理の視角から,特にその「パラテクスト要素」に注目して,比較研究を行なう。そして,音楽理論書というひとつの書物のなかで, どのように著者たちが情報管理を行ない,音楽について効果的に語るための技術を駆使したのか解明することを試みる。
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研究実績の概要 |
当初の研究計画の実現に向け、研究期間の延長させていただきながら、海外での調査の実施を目指してきたが、コロナ禍とその後の長引く影響を受けたことから、昨年度、申請時の研究目的の範囲内において計画の一部の方針を変更し、『音楽への小道』(以下、『小道』)を研究対象の中心に据え、これまでに収集したデータおよび分析を参照しながら、批判校正版の作成作業を進めてきた。しかし、本年度末になって、出版社の事情により、予定していた音楽理論書のシリーズにおける新たな刊行自体が停止するという状況が判明した。そのため、研究の方向性の見直しを余儀なくされ、方針の見直しが再度必要になった。校訂報告の内容は、まとめ直し、学術雑誌に投稿することとした。一方で、それに伴い『小道』とともに出版されたと考えられている楽器の入門書との比較という分析の観点を加え、パラテクスト要素の相違、関係性を調査し、読者の受容や理解に及ぼす影響を考察した。その結果、当時の音楽実践、音楽教育と『小道』の出版背景との明確な関連がみえてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画からの変更、その後の不可避な外的要因による再度の方向転換があったものの、研究の国際的な成果発表の方針が固まったという点では、総合的に研究に進展があったといえる。
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今後の研究の推進方策 |
方針の見直しに伴い『小道』と同時に出版されたと考えられている楽器の入門書等との比較という追加調査が必要となったが、この観点からの考察をさらに深め、書誌学、インテレクチュアル・ヒストリー等、より広い関連分野との連携による今後の研究につなげていきたい。
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