研究課題/領域番号 |
19K12985
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 京都大学 (2021) 東京藝術大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
松永 伸司 京都大学, 文学研究科, 准教授 (60778520)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 分析美学 / 描写 / 画像 / キャラクター表象 / インターネットミーム / 視覚的隠喩 / バーチャルリアリティ / VR / 描写の哲学 / 心の哲学 / 実験心理学 / 画像表象 / フィクション / 言語行為論 / デジタル画像 / 写真 |
研究開始時の研究の概要 |
デジタルテクノロジーの進展によって、画像(picture)のあり方が大きく変わってきている。そして、現代のポピュラー文化には、そうした新しい画像のあり方をそれぞれ独特の仕方で利用している文化がいくつもある。本研究では、分析美学における描写(depiction)の哲学の議論や理論が現代文化における画像使用の実践にどこまで適用できるのかを探り、それを通じて描写の哲学と現代文化研究の架橋を目指す。
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研究成果の概要 |
絵や写真といった画像(picture)は、独特の仕方で何かを表す働きを持つ。この働きを「描写(depiction)」という。この描写の本性を哲学的な観点から考えるのが、描写の哲学という分野である。描写の哲学は、分析哲学の伝統の中で、1960年代以降、研究と議論を積み重ねている。 従来の描写の哲学で扱われてきたのは、主に手描きの絵(とくに芸術的な絵画作品)とフィルム写真であった。本研究では、描写の哲学の知見を現代のポピュラー文化に適用することを通して、第一に描写の本性についての一般的な理解を深めつつ、第二に現代の個別文化の独特さを明らかにし、第三に従来の描写の哲学の有用さと不足を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代のポピュラー文化における画像は、伝統的な画像とは異なる面が少なくない。デジタル画像の登場によって画像の物理的なあり方が変わったことに加え、絵文字・スタンプやインターネットミームのように画像の使い方という点で新しい文化もある。 本研究の意義は、描写の哲学の蓄積をそうした近年の文化的な動向に適用することで、描写の特性に関する従来の議論には見られなかった新たな視点を示している点にある。同時に本研究は、個別文化に対する理解を深めるという意味で、現代の諸文化についての理論的研究としても位置づけられる。加えて、画像を取り上げる他の研究分野(認知科学など)との接点を明確にしたという点でも意義がある。
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