研究課題/領域番号 |
19K12992
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
遠藤 美奈 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (80772780)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 盆踊り / 大衆芸能 / エイサー / USCAR / 新民謡 / 琉球 / 琉米文化会館 / 沖縄民謡 / 音頭 / 沖縄 / アイデンティティ / 琉球列島米国民政府 / エイサーコンクール / 大衆文化 / 櫓 / 近現代沖縄 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦後アメリカ統治下にあった沖縄の人びとが「国民」という枠組みのなかで、本土の文化と自らの文化を実践し、自らのアイデンティティをどのように育んできたのかを芸能研究の側面から解明することにある。 終戦から本土復帰へ向かう沖縄では、本土文化が自らの文化を抑圧した(する)存在であった一方で、本土復帰に向けて推奨した(する)正反対の性格も持っていた。本研究では、本土文化の事例として「盆踊り」を取り上げ、沖縄県内にも存在する複層的な「他文化」を考慮しながら、「伝統的な」芸能ヘ与える影響関係等を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、戦後アメリカ統治下にあった沖縄の人びとが「国民」という枠組みのなかで、本土の文化と自らの文化を実践し、自らのアイデンティティをどのように育んできたのかを芸能研究の側面から解明することにある。 一昨年度、沖縄は復帰50年を迎え、多様な視点から県内外で「復帰」とは何かが問われた。本年度は、当該年度を通して行われた各種の議論を改めて見返すことで、本研究課題を考える重要な年度となった。 本年度は、昨年度実施した、那覇市内における琉球列島米国民政府(USCAR)直轄の文化機関である琉米文化会館主催による盆踊りの実施内容が、周辺地域へどのような影響を与えたのかをまとめた。本研究内容については、次年度の論文投稿を目指している。また、那覇市内の事例のみならず、現在でもエイサーの実践が根強い中部・北部でも行われていた琉米文化会館主催による盆踊りの事例を調査するため、国立国会図書館等において資料調査を実施した。そのほかにも、アメリカ統治下で刊行された、いわゆるプロパガンダ雑誌とされる『守礼の光』(1959-1972刊行)と広報誌『今日の琉球』(1957-1972刊行)を再度読み直したことで、復帰に向かう沖縄での日本由来の芸能の表出について、地域差の有無などについても検討を広げることができた。 また、本研究の主要な関心事の一つである沖縄県内のエイサー会場に見られる「櫓」との関係性については、十分に辿り着けていない。沖縄県下の市町村または字単位でその所有状況や形状、用いる由来について聞き取りを引き続き行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
・コロナ禍における悉皆調査の中断が大きく影響したが、調査範囲を限定したことによって、少しずつ研究目標の対象範囲に到達できそうである。
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今後の研究の推進方策 |
・沖縄県内の中部と北部における琉米文化会館主催による盆踊りの事例を中心に調査を行い、那覇市の事例と比較検討する。 ・これまでの調査研究結果に基づき、本土復帰に向かう沖縄に見られる盆踊りの実践について、総体的な影響関係を明らかにしたい。
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