研究課題/領域番号 |
19K12993
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
森 功次 大妻女子大学, 国際センター, 講師 (30720932)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 分析美学 / 美的価値 / 美的経験 / 対話型観賞 / ネタバレ / 理想的鑑賞者 / 批評 / 快楽主義 / 美的知覚 / 対話型鑑賞 / 趣味 / 美的教育 / 美的生活 / 芸術的価値 / アート思考 / サルトル / 美学 / 子育て / 現代アート / 美的判断 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、従来の理想的観賞者説を改良することで、現代における多様な美的経験や多元化した価値観を説明するための、新たな美的経験論を構築する。 まず、1)価値観の多様性、2)理想的な美的経験を想定する意義、3)美的主張の規範性、の3つの点に着目しつつ、従来の美的経験論の論点整理を行い、改良すべき点を明らかにする。 それをふまえ、現代の多様な美的ふるまいを説明するための分析枠組みを提出する。目標は、美的判断の正当性/不当性を明確に説明すること、数ある美的経験の中からより尊重に値する美的経験を弁別する基準を提出すること、そして、その美的経験をどのていど尊重すべきかの度合いを明示化すること、である。
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研究成果の概要 |
本研究では、美的経験論・美的価値論における理想的観賞者説を再検討した。検討作業にあたって、ドミニク・ロペスが近年提出しているネットワーク説を補助線とした。本研究の結論は以下の通り。価値観の多様化した現代において、理想的鑑賞者説の説明力は疑わしい。美的価値の規範性は、各美的行為において、どのような能力が発揮され、それが当該のコミュニティにおいていかなる達成として認められているかを念頭におきつつ、判定される必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果として、美的価値論の動向をまとめた論文を発表した。また、近年の美学の多様なトピックを紹介する文献執筆・書籍編集をできたことも、本研究の成果である。さらに本研究の過程では、鑑賞教育(とりわけ「対話型観賞」を取り入れる近年の動向)について、いくつかの執筆および情報発信を行った。こちらの成果は、美学・哲学以外の分野でも大きな反響を呼び、美術館などでの観賞教育プログラムに活用されている。
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