研究課題/領域番号 |
19K13004
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
野村 優子 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (50804134)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ジャポニスム / 美術工芸運動 / ジークフリート・ビング / ユーリウス・マイアー=グレーフェ / Wohin treiben wir? / アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデ / ドイツ美術 / 我々はどこへ漂いゆくのか / ドイツ美術工芸 / ドイツ / 美術批評 / アンリ・ヴァン=デ=ヴェルデ |
研究開始時の研究の概要 |
フランス・ジャポニスムにおいて顕著な日本美術の模倣「ジャポネズリー」から本質的な摂取「ジャポニスム」へと発展する転換点がドイツの場合にも認められることを明らかにし、その転換の起爆剤となったのがフランス・ジャポニスムに貢献した二人のドイツ人、日本美術商ビングと美術批評家マイアー=グレーフェの活動であることを確認したうえで、彼らが引き起こした第二のドイツ・ジャポニスムの成果が、モダンデザインの革命である美術工芸運動「ドイツ工作連盟」や「バウハウス」に結実していることを実証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、1890年代に美術工芸分野を中心に興隆するドイツ・ジャポニスムが、ビングとマイアー=グレーフェによって促進されたことを証明するため、以下の項目を検証した。(1)ビングのドイツ・ジャポニスムに果たした役割、(2)ビング、マイアー=グレーフェ、ヴァン・デ・ヴェルデの関係性、(3)美術工芸運動に対するビングとマイアー=グレーフェの思想、(4)20世紀初頭のドイツ芸術界の状況
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近代美術工芸の発展におけるビングとマイアー=グレーフェの功績は計り知れないにもかかわらず、これまで日本では十分に研究されてこなかった。そのビングの三大事業に注目し、そこにドイツ・ジャポニスムとの接点を見出したことは、本研究の大きな成果だと言える。また、重要でありながら、詳細に語られることのなかった二人の論考 "Wohin treiben wir?" を読み解き、彼らの思想に差異をもたらした背景にはドイツ美術界の状況の変化があると結論づけたことは、今後のドイツ美術史研究に示唆を与えるものだと考えられる。
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