研究課題/領域番号 |
19K13008
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
粂 和沙 実践女子大学, 研究推進機構, 研究員 (20634900)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ジャポニスム / 展覧会 / 受容史 / 浮世絵 / コレクター / ジェントルマンズ・クラブ / 訪日画家 / 近代イギリス / 浮世絵受容 / ジークフリート・ビング / ジェンダー / マスキュリニティ / 来日画家 / コレクション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、紳士階級の日本美術愛好家の社交の場であったバーリントン・ファイン・アーツ・クラブについて、①クラブ主催の日本美術展、②日本美術を介した会員間の交遊、③男性の社交空間における日本美術受容の実態(ジャポニスムとマスキュリニティ)といった項目を立て、ジェンダー的視座から調査検討を行なうものである。さらには、女性を主体としたジャポニスムとの比較検討を行ない、ジャポニスムの受容史をジェンダー的観点から再構築することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、英国紳士階級の日本美術愛好家の社交の場であったバーリントン・ファイン・アーツ・クラブについて、クラブ主催の日本美術展、日本美術を介した会員間の交遊、男性の社交空間における日本美術受容の実態といった調査項目を立て、検討を行なった。資料および作品調査の結果、名士たちが集う同クラブが主催した日本美術展には、小規模ながらも美術館や博物館主催の展覧会に匹敵する反響があったことや、その展示方法や作品分類が、国境を超えフランスやアメリカで開催された日本美術展にも取り入れられていた事実が明らかとなった。これにより、ジャポニスムの研究史において、同クラブの活動が果たした役割を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バーリントン・ファイン・アーツ・クラブは、近年受容史研究の観点からその活動が顧みられるようになった組織である。クラブ発足後、たびたび開催されていた日本美術展については、先行研究でも言及されることはほぼなかった。本研究の特色は、ジャポニスム研究の視点からバーリントン・ファイン・アーツ・クラブの活動を見直し、日本美術展開催に至るまでの経緯を検討した点にある。この30年あまりで飛躍的に進歩したジャポニスム研究の成果を踏まえ、近代イギリス特有のこうした男性を中心とする組織における日本美術受容について考察したことは、美術史のみならず、社会史などの隣接分野に対しても新たな問いを触発すると考える。
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