研究課題/領域番号 |
19K13010
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
田口 かおり (藤本 かおり / 田口かおり) 東海大学, 教養学部, 准教授 (60739986)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 保存修復 / アーカイブ / 来歴調査 / 技法研究 / 光学調査 / 来歴の解明 / 文化財保存 / 現代美術 / 技法調査 / 蛍光エックス線 / 近代絵画 / アーカイヴ / 経年価値 / オリジナリティ / チェーザレ・ブランディ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、西洋近代絵画の制作技法と修復歴を解明し、制作から現代に至るまでの経年遍歴=タイムラインを再構成するとともに、美術史における作品解釈の方法論を更新することを目的とする。作品の物理的組成を明らかにする非破壊調査と、文献調査と情報収集を基盤とした美術史・歴史学的アプローチを統合することで、現在は不可視となっている様々な時間の痕跡を可視化し、作品の「生」の過程を新たな文脈を持って読み解く。この研究成果をもって、個々の作品に望ましい収蔵や展示、保存修復の在り方を検証し、わが国の文化財の保存環境の向上への具体的な貢献をも目指す。
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研究成果の概要 |
研究期間全体を通じて、国内では東京都現代美術館・豊田市美術館・ポーラ美術館・埼玉県立近代美術館館をはじめ多くの美術館と連携し、国外においてもテート・モダン・ワシントンナショナルギャラリー・大英博物館・ゴッホ美術館など諸機関からの助力を得て、主に近代絵画を中心に扱いながら美術作品の来歴の解明、技法研究および保存修復のケーススタディを積み重ねてきた。産学連携の研究拠点である東海大学イメージング研究センター及びマイクロ・ナノ研究開発センターにおいても多様な光学調査が実施でき、文化財調査用機器の制作改良についても、株式会社堀場インステックに依頼する形で共同研究を進めることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究機関を通じて、光学調査を通じ明らかになった美術作品の情報を広く社会一般に公開することで新たな議論の場を創出することを目指してきた。具体的な一成果として、完全解体が決定された建築物(神奈川県小田原市市民会館) の壁面に描画された西村保史郎制作作品(1962)の保存修復・技法研究・保存プロジェクトおよび全工程の情報公開を挙げる。失われた作品の「記憶」を保存し「記録」する本研究は、光学調査の手法を美術の普及のメソッドに組み込みながら、完全消失する作品のレスキューという緊急の課題に「展覧会」の形を持って取り組み、芸術文化と科学技術の振興と発展向上に貢献するものとして意義深いものであったといえよう。
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