研究課題/領域番号 |
19K13012
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
小松原 郁 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (20803125)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 北イタリア / ルネサンス / 宮廷美術 / 美術史 / 西洋美術史 / イタリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、15世紀北イタリア宮廷におけるヘラクレス図像の受容の様相とその意味を明らかとすることである。そのため北イタリア諸宮廷の室内装飾および墓碑、墓廟におけるヘラクレス図像を綿密に調査、分析する。実地調査に基く図像分析を通して、現存する作品の造形表現の特質や図像コンセプトや図像構想における都市間の相互刺激、君主間の政治的関係の造形への影響を明らかにし、北イタリア宮廷で制作された装飾図像のプログラムの特徴について、新たな側面を解明することを課題としている。
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研究成果の概要 |
本研究では、15世紀北イタリアの諸宮廷におけるヘラクレスのイメージ形成と伝播の様相を明らかにすることを目的とし、フェッラーラ、マントヴァ、リミニ、パヴィアで制作された作品及び北イタリアの諸君主同様傭兵隊長を務めたベルガモのコッレール家の墓廟礼拝堂におけるヘラクレス図像の分析を行った。分析においては特に、これらの図像に先立って14世紀にアンジュー家統治下で制作された、ナポリ宮廷の作品群との関連と、君主の顕彰図像における家系の記憶の形成という観点から図像を再考し、北イタリアの図像の特徴と位置づけを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヘラクレスは古代から人気を博した英雄であり、ローマ皇帝の擬装彫像から戦後のアクション映画のヒーローに至るまで、様々な場面で理想の男性像がそこに投影されてきた。本研究では、神話表現の機会が飛躍的に広がった15世紀の北イタリア美術に焦点を当て、詳しく検証したことで、図像の揺籃期におけるイメージ形成と伝播の様相が明らかとなり、ルネサンス以降の図像の意図や機能もより明瞭になると考えられる。
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