研究課題/領域番号 |
19K13017
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
研究代表者 |
三笠 景子 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 主任研究員 (80450641)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 金銀彩 / 仁清 / 乾山 / 有田 / ラスター彩 / 金襴手 / 永楽保全・和全 / イスラーム陶器 / 楽茶碗 / 本阿弥光悦 / 琉球 / 障屏画 / 16世紀 / 伊万里金襴手 / 日本工芸 / 日本陶磁 / 金彩 / 銀彩 / 中国陶磁 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第一に、日本陶磁における金銀彩の作例をより網羅的に把握する。第二に金銀彩の賦彩方法の違いを作例ごとに整理し、その視覚的効果を分析する。そして、本研究で得られた諸相を美術史学的に考察する。 具体的には、これまで申請者が未調査である仁清、および17世紀後葉に位置づけられる有田焼の金銀彩の作品、17世紀末~18世紀初頭に位置づけられる伊万里金襴手の作品、乾山の金銀彩の作品、幕末の三河内焼、亀山焼など長崎諸窯にみられる金彩作品、永樂保全、和全など京焼に展開した金銀彩の調査を行ない、作品ごとに技法の分析を行なう。
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研究成果の概要 |
第一の成果として、17世紀後葉の仁清が手がけた金銀彩作品、17世紀後葉の有田の色絵磁器を契機として、金銀彩が施された日本陶磁の作品を網羅的に調査することができた。第二に、新型コロナウイルス蔓延による活動制限のなかで、「金銀彩を施した陶磁器」以外にも視点を広げ、安土桃山時代~江戸時代初期に制作された障屏画、漆工、金工作品を対象とすることができた。第三に、当初想定していなかったイスラーム陶器の事象としてラスター彩の調査を行なうことができた。そして、金銀彩の賦彩方法について、薩摩焼、京焼などの現代作家に取材し、現代の視点から仁清や乾山作品における金銀彩について聞き取りを行なうことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの日本陶磁研究は、生産地や作者、時代という枠のなかで語られることが多かった。それらを横断しつつ「金銀彩」という装飾技法に焦点を当てて、個々に分析を試みることはほとんどなかった。そうしたなか、中国陶磁研究に携わってきた研究代表者独自の視点で、同時代の文化事象や世界の製陶との比較から、日本陶磁の特殊性についてとりあげた点に意義があると考える。また、日本陶磁における金銀彩の特殊性を明らかにすることは、日本独特の美意識の特質について解明する手がかりを得ることであり、この点において美術史学に新しい視点を加えるものと考える。
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