研究課題/領域番号 |
19K13018
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
|
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 |
研究代表者 |
米沢 玲 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化財情報資料部, 主任研究員 (80726993)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 羅漢 / 美術史 / 仏教美術 / 日中交流 / 儀礼 / 仏教儀礼 / 日中交流史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は中世日本の仏教美術における中国美術の受容について、造形作品の様式的側面と信仰背景における儀礼や安置空間を考証し、礼拝対象としての絵画あるいは彫刻の、宗教的意味や機能との関わりを考察するものである。対象とするのは、中世に制作された羅漢の造形作品である。羅漢信仰は中世に大陸からの影響を色濃く受けて日本国内でも盛んになり、数多くの造形作品が制作された。本研究では、中世に日本へ伝えられた大徳寺伝来の五百羅漢図(南宋時代)と、その図様を継承して制作されたと考えられる作例に関して、図様や様式の側面を検討し、さらにそれらの作例が制作された場において、どのような信仰の実態があったのかを考証する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、中世日本における中国美術の受容という問題に羅漢の造形作品の調査を通じてアプローチを試みた。羅漢図の調査では、詳細な観察により図像が持つ意味や美術史的な位置づけを明らかにできたほか、図様が近いとされてきた複数の五百羅漢図の調査では図像の具体的な比較を行った。また、造形作品のみならず、羅漢が信仰されてきた寺院や地域のフィールドワークを行い、中世日本において羅漢信仰のあり方を土地や場という観点から考察した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義は、いくつかの羅漢図の詳細な観察を通じて、その美術史的な位置づけを明らかにしたことと、さらに信仰の場や安置場所の考察を行うことで中世日本の羅漢信仰を包括的に解明することを試みた点にある。大陸との往来が盛んになることによって隆盛した羅漢信仰は、単に文物が往来しただけではなく儀礼や安置空間・周辺環境といった情報も含めて伝来し形成されたものであり、その信仰の様相を探ることは中世寺院における日中交流の一端を解き明かすことにつながる。
|