研究課題/領域番号 |
19K13020
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪 |
研究代表者 |
巖 由季子 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立東洋陶磁美術館, 学芸員 (80838144)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 陶磁器 / 漆継ぎ |
研究開始時の研究の概要 |
16世紀以降に日本で行われた陶磁器補修について、伝世品・出土資料・文献史料の調査と分析を通して、陶磁器の受容のあり方とその特質について再考する。特に、漆を接着剤として用いる「漆継ぎ」に着目し、わび茶が創始され完成へと向かった16世紀以降から、より簡便な「焼継ぎ」が開始される18世紀末頃までの変遷に焦点をあて、補修による価値の継承と美的意識に基づく新たな創造が生まれた時期を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、陶磁器の補修技法のひとつである漆継ぎに着目し、近世以降の陶磁器受容に関する文化的背景を整理しながら、その歴史的変遷の概観を試みた。特に、江戸時代中期に補修痕をもつ茶道具が注目された事象について調査を行い、茶道具の移動や茶の湯人口の増加など、同時代の茶の湯の変化に影響を受けていた可能性を検討した。研究全体を通し、陶磁器の補修が茶の湯の影響を受けて中世以前とは大きく異なる意味をもつものに発展していく過程が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、日本の陶磁史研究でこれまでにあまり重視されてこなかった陶磁器への補修について基礎的な調査を行うことにより、特に漆継ぎの歴史を概観しながら、日本の陶磁器受容の独自性を再考した。研究期間を通じ、日本国内の関連資料を調査し、現状の課題を把握することができた。今後、漆継ぎ以外の補修技法も対象に加え、補修痕跡をもつ出土遺物や補修時期の推定が可能な国外所在資料の調査を行うことで、研究の進展が見込まれる。
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