研究課題/領域番号 |
19K13024
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
|
研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
田中 翼 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (50837234)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 対位法 / 整数計画法 / 自動作曲 / 学習支援システム / アルゴリズム作曲 / コンピュータ支援作曲 / 制約充足問題 / 離散最適化 / 作曲支援システム / 計算論的音楽学 / エクリチュール / 音楽書法 / 学習支援 / 作曲支援 |
研究開始時の研究の概要 |
西洋音楽の教育研究の分野としてのエクリチュール(音楽書法)とは、和声法や対位法、楽曲スタイルなどを研究し、正しく書けるようにするためのものであり、作曲技術の継承の基盤として重視されてきた。他方、現代では情報技術の発達により、伝統的なエクリチュールの分野にコンピュータの導入による新たな教育支援や作曲支援の可能性が開かれつつある。そこで本研究では、情報技術の時代に音楽を「書く」ことのあり方を問い直し、対位法やコラールを始めとする多声音楽を対象として、制約プログラミング、離散最適化、機械学習などに基づくエクリチュール実習支援の新しい計算論的手法の開発を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究では、特定楽曲のスタイルや、対位法のような一般的な音楽理論を対象として、音楽書法をプログラムとして扱いうる形に変換し、音楽書法の学習支援のための基礎となる計算論的手法の研究を行なった。主な研究成果としては、リゲティの『ピアノのためのエチュード第二番』のスタイル、モチーフの組み合わせによる独自のスタイルの楽曲、対位法の添削システムの基礎に関して、制約充足問題や最適化問題を定式化しコンピュータで求解する手法を構築した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
音楽大学や音楽院などにおいて、伝統的な作曲技術の保存・継承を目的とした音楽書法教育が行われてきた。こうした技術は、楽譜のような資料化できるものとは異なり、師弟の人間関係を通じて伝えられてきた面がある。しかし、近年では音楽書法とプログラミングが融合することで、音楽書法がより再現可能で共有可能な知識となる可能性が開けつつある。本研究では、楽曲スタイルに基づく音楽生成プロセスを制約充足問題や最適化問題へと翻訳し、それを解くことで楽曲の生成などを実現できるようにする方法論の構築を行なった。ウェブ・アプリケーションのような形での実用化に至れば、高度な作曲教育を誰もが受けられるようになる可能性がある。
|