研究課題/領域番号 |
19K13027
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
田中 ゆり 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 大学院専門研究員 (70823425)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 科学と芸術 / 協働 / サウンドアート / 素粒子物理 / 宇宙物理 / 宇宙芸術 |
研究開始時の研究の概要 |
実験物理学者とサウンドアーティスト/デザイナーの協働によって、宇宙の音(エネルギーの振動)を人間が享受する体験を創造できるのではないか。そうした問いのもと、本研究の目的は、地球上に降り注ぐ宇宙線に含まれる素粒子の検出器を用いた楽器のプロトタイプを国際・学際協働して制作し、ユーザ体験と演奏を通じた検証を繰り返すことで、素粒子楽器の研究・実践を発展させる基盤をつくることである。 また、本研究は素粒子物理と音楽をつなぐ方法をアートディレクションの視点から模索し、社会に展開するものである。
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研究成果の概要 |
田中のアートディレクションのもと、研究協力者の実験物理学者KoseとサウンドデザイナーDinulovic、Bruckmayrとの素粒子物理と音楽、芸術の交差する学際的な協働を通じて、宇宙の「音」と捉えられる素粒子、宇宙線ミューオンを用いた楽器のあり方の研究基盤となる、検出システムおよびサウンドシステムを発展させた。2019年9月にはインスタレーション(アルスエレクトロニカ・フェスティバル2019、リンツ)として、2021年には総合的なパフォーマンスや講演(Connected Ink 2021、東京)として研究成果を発表した。なお、後者の作品は2022年3月に東京藝術大学から賞を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙線ミューオンの検出器を開発、検出信号をリアルタイムで取り込み、スピーカや風鈴等の物体と連動して作動するプログラミングとサウンドシステムを開発、サウンドデザインを通じて詩的な表現に昇華した。可聴化に止まらず芸術表現に落とし込みインスタレーションやパフォーマンスとして発表し、専門家と一般の人々の双方に広く体験してもらえたことは意義深い。また2020、2021年には論文として国際会議や国際ジャーナルで研究過程を発表し、高い評価を得た。素粒子物理と音楽、芸術の関係、またそれらの交わる新たな知見と美意識の開拓に寄与できたと考える。2022年度以降は本研究をまとめて論文化し、次なる研究へと発展させる。
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