研究課題/領域番号 |
19K13034
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
牧野 一穂 長崎大学, 教育学部, 准教授 (30738448)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 支持体 / 日本画 / 合板 / 表現 / 日本画表現 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦における合板を支持体に用いた日本画表現に重点を置いた調査や研究は、麻紙が日本画の支持体として大多数の割合を占有していることから、これまであまりなされてこなかった。本研究では、既存の合板に関する使用方法並びに物的特性を、日本画制作者の視座から再整理し、得られた知見から絵画用合板を新たに制作する。同時に、合板を用いた制作研究を交えながら、これまでの日本画表現を顧み、その特質を捉えつつ新たな日本画表現の在り方を実現する。延いては、日本画は麻紙に描くものであるという支配的な価値観に対してパラダイムシフトを提示する。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本画制作専用の合板を製造過程から追求することによって、今日の制作実践を可能とする新たな支持体として成立させることを目的とした。日本画の技法である裏打ち技法を用い、ロール状の支持体として成立させる視点から製造を試みた。保存修復時に用いられる天然由来の生麩糊を接着剤として使用し、単板と楮紙を裏打ちすることで二層構造を持たせた支持体の機能を持たせた。このことで描画表面が木材であるために可能となる表現の獲得と、従来の和紙をパネルに張り込む際の水張りを行うことが出来る、新たな支持体を製造できたものと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで日本画制作において合板は如何に表現のために工夫し取り扱うのかという制作研究が為されてきた。また保存修復の観点からは、合板を支持体に用いた日本画作品においては、合板の接着層の剥落が懸念されてきた。本研究では、合板の接着層の問題を解決すべく、新たな支持体である単板紙を製造し提示した。単板紙を使用した際の効果的な現象を明らかにするだけではなく、制作実践においてを有効的に応用する手段を勘案し、現代日本画表現に貢献する一つの方法論を導き出そうと試みた。
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