研究課題/領域番号 |
19K13065
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 日本大学 (2020-2022) 東京経済大学 (2019) |
研究代表者 |
須賀 真以子 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00769987)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 日本現代文学 / 潭 / へるめす / 1980年代 / 渋沢孝輔 / 日本現代詩 / 謡曲 / 中上健次 / 古井由吉 / 入沢康夫 / 粟津則雄 / 日本文学 / 日本近代文学 / 民俗学 / 神話学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1980年代日本文学における民俗学・神話学との関係性について、文芸雑誌「潭」同人の作品を中心として解明するものである。 1980年代、多くの民俗学・神話学的な研究成果が発表され、日本文学においてもその成果が大いに取り入れられた。1984年から87年にかけて、粟津則雄、渋沢孝輔、入沢康夫、中上健次、古井由吉を同人として刊行された文芸誌「潭」においても、その傾向は色濃く認められる。「潭」同人の持つ、文学についての危機意識が、実作としてどのように結実したかを、文化活動の根源を問い直す民俗学・神話学との関わりという観点から分析し、現代にも通ずる思考の可能性を明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
本研究は、1980年代日本文学における民俗学・神話学との関係性について、文芸誌「潭」同人の作品を中心として解明するものである。成果として、同時代の文学において多くの重要な作品が掲載されていながら、今まで省みられることが少なかった「潭」という雑誌に焦点を当て、研究の土台を整えたことが挙げられる。また、同時期に刊行された知的総合誌「へるめす」との関わりを考察することで、当時の文化潮流の中で「純文学」の担い手と自認する作家たちが、どのように自らの立場を模索していったかを明らかにした。さらに、調査の過程で作家たちによる「連句」の存在をより深く探究すべきという今後の研究の構想を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
文芸誌「潭」は古井由吉、中上健次といった小説家の他、評論家の粟津則雄、詩人の入沢康夫、渋沢孝輔という、80年代当時に積極的に作品を発表し、活躍していた同人によって刊行されていたが、従来、研究の現場では省みられることがなかった。本研究は、同誌「潭」の書誌調査、及び出版社への聞き取り調査を行うことで、今後の研究の俎上に載せた。また、「潭」掲載の作品の分析・考察を行いながら、同時代の学際的文化を担った雑誌「へるめす」との関係性を考察することで、当時の文化潮流に対する「純文学」からのアプローチや距離の取り方等を解明した。
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