研究課題/領域番号 |
19K13067
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
塩野 加織 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (80647280)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 日本近代文学 / 翻訳 / 井伏鱒二 / 翻訳論 / 日本語 / 方言 / ルビ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、井伏作品における翻訳のありようを、テクスト内部だけでなく社会的・歴史 的状況のなかからも明らかにすることによって、井伏文学を体系的に捉え直すことを目的とする。具体的には、上述した2段階の問い(=①井伏鱒二文学おける翻訳概念の精査、 ②それが近代日本文学のなかで果たす役割の検証)を設定し、まず、個別作品における翻 訳の機能を細かく分析した上で、それを近代日本の言説空間からも再検証し特質を解明する。これにより、従来の先行研究で維持されてきた評価の枠組みを抜本的に問い直し、「翻訳」という視点から井伏鱒二の文学的営為と同時代的意義を究明することを目指す。
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研究成果の概要 |
まず井伏作品では、翻訳という行為が共同体の共同性を構築する政治的活動としてあり、それが作中の表記や音のレベルに至るまで動員されながら描かれることを明らかにした。またテクストの翻訳出版状況という点では、1940年代~50年代における日本文学の海外普及について、ユネスコの翻訳出版プロジェクトが、欧州と北米圏で日本文学が普及するための一つのインフラとして機能していたことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題を通して、文学テクストにおける翻訳表象のありようを表記や音の観点から新たに考察したこと、また、ユネスコによる日本文学作品の翻訳出版事業の特徴を明らかにしたことが学術的意義として挙げられる。社会的意義としては、これらの成果の一部を、国際研究集会にて国内外の人文学研究者と共有し、また他方で、文学館主催講演を通じ研究意義を社会に向けて発信することができた。
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