研究課題/領域番号 |
19K13072
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 東洋大学 (2020-2022) 大谷大学 (2019) |
研究代表者 |
服部 徹也 東洋大学, 文学部, 准教授 (80823228)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 夏目漱石 / 岩波書店 / 資料研究 / アーカイブ / 出版研究 / 書誌学 / 日本文学 / 近代文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1924・1935年版『漱石全集』を中心に、岩波茂雄・小林勇旧蔵『漱石全集』編纂関連資料を整理・撮影して分析し、その編纂過程の実態を解明する。それにより、書籍の廉売、文芸学術の普及・大衆化が進んだ時代に、「文豪」漱石像と岩波文化がどのように支え合って形成したかを明らかにする。とりわけ、学者かつ作家という「文豪」漱石像を描く岩波書店や小宮豊隆の編集意図が、「学問」の香りを消費しようとする大衆読者の欲望と合致して、高級文化というイメージを形成したことを論証する。また、1920~30年代の英文学研究者らの著述を参考に、近代文学研究の成立と文学全集編纂との関わりを検討する。
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研究成果の概要 |
岩波書店の決定版『漱石全集』の編纂過程の資料を撮影し、翻刻・注釈を付し、データベース化することが完了した。これにより全集編纂にかかわって漱石関係資料がどのように岩波に提供され、資料が選別され、本文が決定していったのかを具体的に追うことができるようになった。今後の展望として、森田草平や小宮豊隆ら関係者の全集編纂に関する書簡を翻刻しデータベース化することで、全集編纂の動向を複数の視点から描き出していくことが望まれる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
文豪夏目漱石、文化的教養を重んじる岩波書店というイメージがどのように形成されていったのかを考えるうえで、没後すぐに刊行され現在までリニューアルを重ねながら継続されてきた『漱石全集』の編纂は重要な手がかりとなる。厳密な校訂を強調し、総索引を付すなどゲーテら外国の文豪の全集にも匹敵する構成をそなえ、小説だけでなく俳句や日記書簡などを収録することで、東洋と西洋の文化を融合させた文豪漱石という作家像を書籍そのものが体現するように『漱石全集』はデザインされてきたのだ。
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