研究課題/領域番号 |
19K13080
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
澤西 祐典 龍谷大学, 国際学部, 講師 (30771133)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 日本近代文学 / 芥川龍之介 / 菊池寛 / ルイス・キャロル / 不思議の国のアリス / ピーター・パン / 小學生全集 / 旧蔵書 / マーガレット・タラント / 比較文学 / 小学生全集 / 英文学 / 翻訳 / 近・現代文学 / 児童文学 |
研究開始時の研究の概要 |
芥川龍之介・菊池寛共訳『アリス物語』および『ピーターパン』は、興文社と文藝春秋社による『小学生全集』シリーズの一環として刊行された。この<共訳>は、『不思議の国のアリス』の文豪訳などとして好事家の関心を引いてきたが、これまで芥川あるいは菊池の訳業として両作が取り上げられることはほとんどなかった。本研究では<共訳>の分担や翻訳の特徴について明らかにし、創作童話の発表や『小学生全集』を刊行など、児童文学の普及にも貢献してきた芥川・菊池の功績の中で、両作をどう捉えるべきか明らかにしたい。また、この二作を一般読者が親しめる形で普及したい。
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研究実績の概要 |
近年、入手困難となっていた芥川龍之介・菊池寛共訳『アリス物語』(『小学生全集』第二十八巻、文藝春秋・興文者、1927)をリーダブルな形で現代の読者に届けることを本研究の目的の一つとして掲げた。その目的についてはルイス・キャロル著『芥川龍之介・菊池寛共訳 アリス物語』(グラフィック社、2023)を刊行し、訳補・注釈・解説を加えることで一定程度果たせたと考える。2023年度中にはより多くの読者に成果が届くよう成果発信に努めた。 また、2022年度中に行った学術発表をベースに、学術論文の執筆を試み、ユーザーローカルAIテキストマイニング(https://textmining.userlocal.jp/)を用いて、下訳として指摘がある楠山正雄訳『不思議の國』(1920、家庭読物刊行会)との隔たりについて分析を進めたが、学術論文として発表できる明確な成果に至らなかったため、投稿には至らなかった。別のアプローチから、研究を行う必要がある。 「不思議の国アリス」や「ピーターパン」といった特定の作品に限らず、より俯瞰した観点から芥川旧蔵書・洋書と芥川文学の関りについて考察を行い、「芥川龍之介旧蔵書越しに見える「世界文学」像」(『芥川龍之介研究』第17号、2023、pp.56-44)として発表した。その過程で発見された新資料について、「新資料紹介(1)日本近代文学館所蔵・芥川旧蔵書に挟まれていたメモ二点と関連書籍への書き込みについて : 『志那游記』、中国渡航時期の読書など」(章い氏との共著、pp.14-29)及び「新資料紹介(2)日本近代文学館所蔵・芥川旧蔵書の英英辞典に挟まれていた紙片について:Webster's International Dictionary of the English Languageから発見されたメモ・辞書愛好家としての芥川龍之介」(pp.30-35)等で報告した。
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