研究課題/領域番号 |
19K13093
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 茨城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
加藤 文彬 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 助教 (30758537)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 初唐文学 / 四傑 / 初唐 / 駱賓王 / 王績 / 盧照鄰 / 初唐四傑 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、初唐・中唐期に於ける六朝修辞主義文学受容の内実を解明するものである。 太宗と上官儀との言に代表されるように、初唐期に於いて六朝期の修辞的文学は理念の上では否定されていた。しかし宮廷詩人達は、六朝期の修辞主義的文学を積極的に受容し、詠物詩等の煌びやかな詩を制作している。本研究は先ず、初唐期の六朝美文に対する屈折した現象の内実を解き明かす。 次段階として、中唐期の古文復興運動に於いて、六朝美文の全てが批判の対象としてではなかったことを、権徳輿の『玉台體』詩に焦点を当てて明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は『玉臺新詠』をはじめとする六朝末期文学が、初唐及び中唐期に於いてどの様に受容され、乗り越えられていったのかを明らかにすることを主軸とした。特に初唐期は『玉臺新詠』を想起させる修辞主義的な文学を乗り越え、盧照鄰や駱賓王等が新たな詩作の可能性を模索した時期である。彼等の詩作を丁寧に読み解くことで、その具体的な契機を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では初唐の文学趨勢について、六朝末期文学との関連の上から考察した。従来もこの様な試みはあったが、それらは主に韻律面や形式面から盛唐詩の胚胎を見出すことが主な目的となっていた。これはつまり、個々の詩人の内的な部分の検討や、それぞれの詩文についてはあまり着眼されてこなかったということでもある。本研究では宮廷外の詩人達の個々の詩文を丁寧に読み解くことで、初唐期の六朝末期文学受容の一端を明らかにした。 個々の作品内部から初唐期の文学趨勢を考察した本研究は、唐代文学史、殊に初唐文学から盛唐文学に至る流れを考える上で、一定の意義を示すことができたと言える。
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