研究課題/領域番号 |
19K13098
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
木村 明日香 中央大学, 文学部, 准教授 (70807130)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 少年俳優 / 女性表象 / シェイクスピア / 演技指導 / 初期近代英国演劇 / ジェンダー、セクシュアリティ / イギリス・ルネサンス演劇 / ジェンダー / 国王一座 |
研究開始時の研究の概要 |
国王一座のレパートリーを少年俳優同士の横の繋がりに注目して再読する。2017年度から取り組んだ科研費プロジェクトの中心人物の一人であるRichard Robinsonを軸にその前後に活躍した少年俳優たちへと研究対象を広げ、彼らの疑似兄弟関係、上下関係、ライバル関係などが戯曲における女性表象にどう表れているかを可能なかぎり具体的な名前を出しながら論じていく。
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研究成果の概要 |
本研究では、シェイクスピアが座付き作者を務めた宮内大臣/国王一座の少年俳優に着目し、彼らの疑似兄弟関係、上下関係、ライバル関係が舞台の女性表象に与えた影響を考察した。第58回シェイクスピア学会(2019年)では『オセロー』の有名な「柳の場面」において、それぞれ歌唱と衣装のピン外しを担当した少年俳優たちの協同作業に関する口頭発表を行い、その後論文発表した。また第59回シェイクスピア学会(2021年)ではクィア研究のセミナーに参加し、ミドルトンの中期喜劇について少年俳優と成人俳優の権力関係と欲望の働きを論じると同時に、少年俳優たちのあいだで妊娠の演技が継承されるさまを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではシェイクスピアが座付き作者を務めた国王一座のレパートリーを少年俳優同士の横の繋がりに注目して再読した。『オセロー』を含む作品について、当時の舞台で女性を演じた少年俳優たちの疑似兄弟関係、上下関係、ライバル関係が舞台での女性表象にどのような影響を与えたのかを論じた。近年、少年俳優の徒弟としての立場に着目し、彼らが親方である成人俳優からどのような演技指導を受けていたかを考察する論考が増えているが、本研究では少年俳優は同じ親方の元で修行を積む年長者の徒弟や、元少年俳優の成人俳優からも多くを学んだことを明らかにし、少年俳優が役者としての経験を積んだ環境をより立体的に想像することを目指した。
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