研究課題/領域番号 |
19K13115
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐久間 由梨 (辻由梨) 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90712646)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ジャズ / ジャズ文学 / ハーレム・ルネサンス / デューク・エリントン / フレッチャー・ヘンダーソン / アメリカ文学 / インプロヴィゼーション / 即興 / Black Lives Matter / カマシ・ワシントン / アルバート・アイラー / Toni Morrison / Kamasi Washington / Frances Watkins Harper / インプロヴィゼーション・スタディーズ / 黒人文学 |
研究開始時の研究の概要 |
その誕生から100年を迎えたジャズは、多くの日本文学・アメリカ文学作品に描かれ続けている。本研究は日米のジャズをめぐる文学作品を、文学研究およびインプロヴィゼーション・スタディーズの研究手法を併せた学際的な視点にて再検証する。日米におけるジャズ文学史を、特に即興実践の表象に着目しながら分析することで、ジャズを描いた文学作品の特性と魅力を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
2022年度は、アメリカのジャズ文学作品の研究を進めた。その成果の一部を論文とし、"African American Migration Narratives of the Harlem Renaissance: Jazz as Symbol of Racial Uplift, 'Low-down' Migrants, and Black Feminism" というタイトルで、アメリカ学会の学会誌であるThe Japanese Journal of American Studiesに投稿した。本論文では、1920年代のハーレム・ルネサンス期におけるアフリカ系アメリカ人知識人や作家たち(Alain Locke, Langston Hughes, Sterling Brown, Nella Larsen, Zora Neale Hurston)が、それぞれに異なる階級およびジェンダーの意識とともにジャズを描き出していることを論じた。
『「いま」を考えるアメリカ史』では、ポピュラー・ミュージック歌手であるテイラー・スウィフトについて、メディアおよびフェミニズムの観点から分析する章を執筆する機会をいただいた。章を執筆することで、ジャズとフェミニズムの問題についてより深く考える機会を得ることができた。
学会誌への論文投稿に加え、2022年度は文芸誌『文學界』11月号に「ジャズとアフリカ系アメリカ人文学」という論考を掲載していただいた。本論考では、1920年代から50年代までのアフリカ系アメリカ人によるジャズ文学の系譜をまとめるとともに、黒人女性作家によるジャズ文学の特色についても紹介した。さらに『文學界』では、ジャズ歌手のビリー・ホリデイが登場する短篇、ジュエル・ゴメスによる「ドント・エクスプレイン」(岸本佐知子さんによるご翻訳)の作品解説を執筆する機会もいただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍において海外の学会に参加することが難しい状況が続き、研究発表をすることができなかった。さらに、大学の教育活動と研究とを両立することが時間的に難しい状況が続いた。これらの理由により、研究調査および、研究発表の両面において、進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は対面で実施される国際学会も増えてきているため、積極的に参加していく予定である。2023年6月25日~7月1日には、アメリカのミネソタ州にあるミネソタ大学で開催される学会、IASPM(International Association for the Study of Popular Music)に参加し、占領期の日本におけるジャズ受容についてジェンダーの観点から分析する論考を発表する予定である。今後は、本研究課題の研究成果を単著として出版できるように、執筆時間を確保していくように努力する。
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