研究課題/領域番号 |
19K13116
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
閑田 朋子 日本大学, 文理学部, 教授 (40328654)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | ヴィクトリア朝 / 社会問題小説 / ジャーナリズム / イライザ・ミーティヤード / ユニテリアン急進派 / 19世紀英文学 / 大衆向上雑誌 / ホイッティントン・クラブ / ジェンダー / ジョサイア・ウエッジウッド / ハリエット・マーティノー / 出版文化 / ユニテリアン / 女性ジャーナリスト / 美術工芸品 / 伝記 / 産業革命 / アンティーク / Eliza Meteyard / 女性作家 |
研究開始時の研究の概要 |
イライザ・ミーティヤード(1816-79)は、徹底した取材や調査・研究を通して執筆活動を行った英国19世紀の女性ジャーナリストである。彼女が、女性が政治・経済について話題にすることにさえ偏見があった社会において、取材に不利になりかねない聴覚障害を負いながら、なお19世紀半ばに現代のジャーナリストに近い取材や調査・研究方法を用いて執筆を続けられたのはなぜなのか。本研究は、近年使用が可能となった関連データベース等を駆使して、彼女の著作物および寄稿先雑誌の主な執筆者との人間関係を洗い出すことによってこの問いに答え、出版文化史におけるジャーナリズム研究の一画に光を当てることを目的としている。
|
研究成果の概要 |
政治や経済に興味を示す女性に対する根強い偏見があった19世紀の英国社会において、重度の難聴を抱えた女性ジャーナリストのイライザ・ミーティヤードが、徹底した取材と調査を行いながら著作活動を続けられた理由を探究した。主な理由は、第1に性別に関係なく利用できる大英博物館の図書室等に通い大量の資料を参照できたこと、第2にユニテリアン急進派の人脈に恵まれ、彼らの出版する大衆向上雑誌に寄稿することで社会派ジャーナリストとして訓練を積めたこと、第3にユニテリアン急進派の人脈を通して、さらに広い範囲で様々な出版社や雑誌編集者や情報提供者と知り合い、ジャーナル記事の作成や寄稿のための機会を得たことである。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、イライザ・ミーティヤードを出版文化史・文学史に位置付け、他の英国19世紀女性作家研究に波及させるとともに、ジャーナリズム研究の一角としての社会的意義を持つものである。また、ミーティヤードを一例として男性優位の社会において女性ジャーナリストが取材に利用しえた人脈や情報源をたどることによって、ヴィクトリア朝の出版文化研究に役立つと同時に、時事問題を扱った彼女の小説は、ノン・フィクション小説の先駆的作品でもあるため、ノン・フィクション小説の歴史的研究を促すものでもある。
|