研究課題/領域番号 |
19K13123
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 神戸大学 (2022) 同朋大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
深町 悟 神戸大学, 国際文化学研究科, 講師 (00792029)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | WWI / 侵攻小説 / プロパガンダ / 第一次世界大戦 / ウェリントンハウス / 民衆誘導 / 反ドイツ / イギリス小説 / ウェリントン・ハウス / 戦争文学 / 英国 / 動物 |
研究開始時の研究の概要 |
英国で1871年から第一次世界大戦まで人気のあった「侵攻小説」というS・F作品群は一時期の文学的な流行と捉えられてきた。しかし、その実態は拡張政策への文学的な反動であり、その多くは特定の政策を主張するプロパガンダ小説だったと思われる。また、現在までのプロパガンダ研究ではこの作品群の存在に沈黙している。本研究では20世紀初めから第一次世界大戦中に発表されたこれらの作品を分析し、英国が第一次世界大戦で用いたプロパガンダ的手法との比較を行うことで、このジャンルの作品が用いた手法が戦時プロパガンダとしていかに活用されたかを明らかしたい。
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研究成果の概要 |
この課題では第一次大戦期の英国政府によるプロパガンダと侵攻小説との関わりを明らかにするものだった。その手段としてはその作品ごとの政治的メッセージと「侵攻小説」的な手法とその傾向が時代ごとの世論といかに関連、影響しあっているかを分析し、第一次世界大戦で用いられたプロパガンダ手法との関連をまとめた。時世柄、調査活動にかなりの制約を受けてしまったが、できる範囲でかなりの調査をすることができた。また入手できた資料などから大戦中に作られたパンフレットの多くが失われていることが分かったが、『新東洋』など日本の雑誌にある程度残っていることが分かり、新たな後の研究課題を設定することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Nicholas J. Cull、Philip Taylor、Garth S. Jowett などによる代表的なプロパガンダ研究は、かつての成功した、あるいは失敗したプロパガンダ的試みの個々の事例とその影響を考察するものである。一方で、本研究では「侵攻小説」という1871年以降40年以上続いた一つの文学的流行をプロパガンダ的な取り組みと定め、事例研究よりも大きな枠組みでプロパガンダの歴史を俯瞰することができた。このように「侵攻小説」をプロパガンダ研究に加えようとする本研究では、これらの作品をプロパガンダ小説として分類しただけでなく、プロパガンダの手法としても定義づけることができた。
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