研究課題/領域番号 |
19K13124
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
岡本 広毅 立命館大学, 文学部, 准教授 (10778913)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 中世英語英文学 / 中世主義 / アーサー王物語 / フィロロジー / ファンタジー / J.R.R. トールキン / ガウェイン卿と緑の騎士 / 国際中世主義 / トールキン / ブリテン建国神話 / J.R.R.トールキン |
研究開始時の研究の概要 |
J.R.R.トールキンの研究者としての側面に焦点をあて、学術業績と創作(=いわゆる「ファンタジー」作品)との関連性を明らかにする。トールキンは中世英語英文学や北欧文学に関する研究を多く残している。本研究では同時代の学術的文脈を考慮しつつ、特にフィロロジスト(文献学者)としての成果とファンタジー創作の有機的な結びつき、そしてその文化的意義を考察する。「学問領域」と「大衆文化」を架橋したパイオニアとして、トールキンの学術的功績を捉え直すこととする。
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研究成果の概要 |
中世英語英文学研究を生業としたトールキンは現代ファンタジー文学に大きな影響を与えた。彼の研究者と作家両方の側面を有機的に関連付けることで、ファンタジー文化の先導者としてのトールキン像とその広範囲への影響がうかがえた。ファンタジーは西洋中世の歴史や文学伝統に根差した世界であり、歴史的に継承され構築されてきた文化である。本研究では既存の「中世研究」と「中世主義研究」を分けて考えるのではなく、双方向的に影響し補完し合う領域として再考した。それゆえトールキンの研究と創作の意義に加え、現代のファンタジー文化への貢献についても理解が深められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ファンタジー文化はマンガやゲームといった大衆文化に浸透しているが、研究はまだまだ発展段階にある。ファンタジー文化は単なる空想の世界ではなく、西洋中世の歴史や文学伝統に根差した世界である。こうした見方はあまり共有されていないことから、トールキンの学術的業績や創作の影響を通して具体的な道筋の一例を提示した。また中世の作品が後世の時代に果たした影響と役割を考察する「中世主義研究」が世界規模で進展する中で、国内ではまだまだ研究が進んでいない。日本独自の西洋受容のあり方が注目を集める中、本研究は今後の研究発展のための足掛かりとしたい。
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