研究課題/領域番号 |
19K13127
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
坂根 隆広 関西学院大学, 文学部, 准教授 (30755799)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アメリカ文学 / 身体 / 経済 / セクシュアリティ / フィッツジェラルド / ヘンリー・ジェイムズ / 資本主義 / 負債 / 身体性 / セクシュアリティー / 記憶 / 内面 / 貨幣 / 物象化 / フェティシズム / ジェンダー / 時間 |
研究開始時の研究の概要 |
資本主義の発展と変容は、人間存在と文学形式にどのような影響を与えるのか。この問いを根本的な前提としながら、本研究は、リアリズム、自然主義小説から、モダニズムまで、20世紀前半の主要なアメリカ文学作品を幅広く検証し、そこでどのように、資本主義経済と、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる問題が相互に関係し、その複雑な交差が、身体という「場」において展開するのかを解明する。
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研究成果の概要 |
資本主義の発展は、人間の身体やジェンダー/セクシュアリティのありかたにどのような影響を与えるのか。そのような問題意識が、二十世紀前半に書かれた多くのアメリカ文学作品に通底している、という仮説のもとに、本研究はフィッツジェラルドやヘンリー・ジェイムズといった代表的なリアリズム・モダニズム作家の小説を検証した。研究を通してその仮説の妥当性が確認されただけではなく、重要なアメリカ文学作品において、内面と外面、過去と現在(と未来)、プライヴェートとパブリックな領域、倫理性とユーモア、イメージと(表象不可能な)現実、といった様々な対立を構成する動的な「境界面」として身体が描かれていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ローカルな意味での学術的意義という観点からいえば、これまでほとんど論じられることのなかったフィッツジェラルドの作品の意義を明確にしたこと、『グレート・ギャツビー』というアメリカ文学を代表する作品について新たな解釈を提供できたこと、ヘンリー・ジェイムズの重要作品について新たな視座から検証でしたことが挙げられる。より大局的な社会的意義は、資本主義社会において、ジェンダー・セクシュアリティ、身体、自己の在り方がどのように交錯するのかという問題を考える際の一助となる材料を提供できたところにある。
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