研究課題/領域番号 |
19K13131
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 東京都立大学 (2023) 慶應義塾大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
吉田 俊一郎 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (00738065)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 西洋古典学 / 修辞学 / ギリシア語 / ラテン語 / ギリシャ文学 / ラテン文学 / ギリシア文学 / レトリック |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ギリシア・ローマの修辞学的伝統の相互作用について問うものである。弁論を巧みに行うために古代ギリシアで発明された修辞学は、ギリシア・ローマ世界に広く定着し、その後の教育課程を規定する体系を形成したと考えられている。しかしこうした理解は、修辞学を統一された理論体系として捉えるもので、それが実際には古代世界において時代・地域に応じた多様性を持っていたことを見落としがちである。本研究は、ギリシアとローマという地域・言語の差が修辞学理論にどう影響しているかを、ローマで修辞学が成熟した紀元後一世紀以降の両者の共通性と独自性に着目して解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、ギリシア・ローマの修辞学的伝統の相互作用について問うものである。この2つの世界の修辞学はしばしば、統一された一つの理論体系として捉えられ、時代・地域・言語等に応じたその多様な変種が互いにいかに影響しあったかの問題は見落とされがちであった。本研究は、ローマで修辞学がすでに成熟していた帝政期を中心に、これらの異なる2つの地域・言語に属していた修辞学理論の間の相互作用の通時的変遷を、両者の共通性と独自性を考察することで詳しく示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、ギリシアとローマという異なる地域・言語の修辞学の相互作用を時代を追いつつ跡づけることで、修辞学理論史の再構築に寄与したという点にある。さらに広い文脈においては本研究は、現実と乖離し硬直した理論としばしば見なされがちな修辞学が、どのように現実社会と関係しそれに対処していったかについて一つの視点を提示した。こうした視点は、社会制度一般と、そこで形成される教育体系や文芸活動とがどのように相互に関わるかを考察している点で、社会的意義を有すると考えられる。
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