研究課題/領域番号 |
19K13136
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 日本女子大学 (2020-2022) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
久保田 静香 日本女子大学, 文学部, 准教授 (60774362)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ラムス主義 / デカルト主義 / ポール=ロワイヤル / ベルナール・ラミ / レトリック / 文法 / 論理学 / ヘブライ語 / デカルト / ジャン=ジャック・ルソー / 合理主義 / ロマン主義 / 記憶術 / ルルスの術 / 修辞学 / カルテジアン / 近世フランス / セヴィニエ夫人 / 思想と言語 / トポス |
研究開始時の研究の概要 |
デカルトおよびデカルト主義者は、近代以降のフランスにおいて「レトリック」が「弁論術・説得術」から「修辞学・美辞学」へと変容するにあたり大きな役割を果たした。この歴史的事情を、デカルト主義の先駆ともいわれる16世紀のペトルス・ラムスから、デカルト思想の洗礼を受けた17世紀後半のカルテジアン(とりわけポール=ロワイヤル派とベルナール・ラミ)へと至る、学芸(litterae, lettres)の改革の系譜を辿ることで、その内実を明らかにする。これにより、近代修辞学―18世紀のデュマルセや19世紀のフォンタニエに代表される「文彩(figures)」研究―へと至る前景を描き出す。
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研究成果の概要 |
16世紀のラムス主義と17世紀のデカルト主義の二大思潮に軸足をおき、近世フランスにおける学芸の特徴の把握に努めた。そこで、記憶術をめぐるデカルトの初期思想に着目しつつラムス主義との関連性を再検証したうえで、ラムス主義とポール=ロワイヤル派の文法理論と論理学の比較検証をおこなった。また、17世紀後半に熱烈なデカルト主義者として知られた二人の人物に着目し、グリニャン夫人(書簡作家セヴィニエ夫人の娘)の思想およびベルナール・ラミのレトリック理論の実態の解明に迫った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
修辞学(レトリック)を中心にその近接領域である文法学や論理学をも対象とする本研究は、現在では一般的に「リベラルアーツ」の名のもとに知られる学問・教育分野への関心が中心にある。このリベラルアーツの源流に立ち返り、ヨーロッパにおける伝統的学芸の変革の試みが、デカルトを中心とする近代思想の誕生とともに進行するありさまを捉えつつ、それらを近世フランスの言語文化に即して見極めることを目指した。これにより、「人文学」の現在と未来のありかたを問うための具体的な素材を広く一般社会に提供できるものと考えている。
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