研究課題/領域番号 |
19K13148
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
|
研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
大村 梓 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (50639177)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 堀口大學 / 翻訳 / 日本近代詩 / フランス近代詩 / モダニズム文学 / ポール・モラン / モダニズム詩 / 詩歌 / 翻訳詩 / 短歌 / 創作短歌 / 創作詩 / 文芸雑誌 / 翻訳詩集 / 永井荷風 / 上田敏 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は西欧詩の翻訳と日本近代詩の相関に焦点を当て、翻訳家堀口大學の活動を中心に大正・昭和初期の翻訳詩を分析していく。大學はフランス近代詩の翻訳者として知られ、訳詩集『月下の一群』が代表作として挙げられる。明治以降に出版された西欧詩の訳詩集の多くは文語による翻訳であったが、大學の訳詩集は口語が頻繁に用いられ、若者たちの近代生活への期待や不安を題材とした詩を多く所収している。そもそも大學の文学活動は短歌から始まり近代詩の創作、そして翻訳を行うようになった。本研究は詩の文体と題材に焦点を当てて大學の創作詩と訳詩集の分析を行うことにより、日本近代詩から西欧詩の翻訳への影響を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究では西欧詩の翻訳と日本近代詩の相関に焦点を当て、翻訳家堀口大學の活動を中心に大正・昭和初期の翻訳詩を分析した。大きな成果としては2023年1月に学術書(単著、『異国情緒としての堀口大學―翻訳と詩歌に現れる異国性の行方』)を出版した。翻訳者としてフランス近代詩を多く日本語に翻訳し、雑誌に紹介した役割と共に、堀口の歌人・詩人としての創作活動を学術的に検証した。堀口の詩歌や随筆が翻訳に与えた影響(文体、繰り返し用いられる単語、テーマ性などの点から)を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで翻訳家としての堀口大學の役割は広く認識されてきたが、個々の翻訳テクストが日本近代文学に与えた影響に焦点が当てられることが多かった。このような背景において本研究は訳詩集や日本近代文学という大きな流れのなかで堀口の文学活動全体を捉えなおそうと試みた。本研究は堀口の詩歌が翻訳に与えた影響を分析し、堀口の翻訳活動の重要な側面としてモダニズム文学、新感覚派に影響を与えたといわれる仏作家ポール・モランの堀口訳についても詳細に分析するという新たな観点を持っている。これらにより、本研究は日本近代詩とフランス近代詩、及び日本モダニズム文学をめぐる議論について新しい視点を提供できたと考える。
|