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『土佐日記』英訳に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13150
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分02050:文学一般関連
研究機関日本社会事業大学

研究代表者

大野 ロベルト  日本社会事業大学, 社会福祉学部, 講師 (80728915)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 交付 (2019年度)
配分額 *注記
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード紀貫之 / 土佐日記 / フロラ・ベスト・ハリス / 翻訳 / ジャパノロジー
研究開始時の研究の概要

本研究は、19世紀末から現在までの間に少なくとも5度にわたり英訳されてきた『土佐日記』について、本文の分析のみならず、それぞれの翻訳の背景にあるジャパノロジーの発展などの条件とも合わせて、詳細な比較検討を行うことで、『土佐日記』およびその作者である紀貫之が、これまで海外においてどのように受容・研究されてきたのかを明らかにするための基礎づくりを行うものである。

研究実績の概要

令和元年度には『土佐日記』を初めて英訳したフロラ・ベスト・ハリスの業績を調査し、これまで充分に明らかになっていなかった書誌を特定することができた。とくに、1881年、1910年という2度の出版以前に、新聞紙上に連載された英訳があったことは、先行研究では推測の域を出ていなかったが、今年度の研究の過程で紙名および連載の日付を明らかにし、さらに紙面のコピーも入手することができた。
以上のような作業と並行して、翻訳本文の分析も進めた。和歌のように解釈の自由度が高いテクストの翻訳などに注目したことはもちろんだが、ほかにも「もののあはれ」のような抽象的な概念がどのように翻訳されたのかに目を向けることで、当時の外国人による日本文化への理解のあり方を探ると共に、そもそも日本人は同じ概念をどのように捉えていたのか、という点についても問い直すきっかけとなった。
上記の研究成果については、研究期間の開始時点で校正段階にあった単著にも、断片的にではあれ、盛り込むことができた。その後、新たに学会での報告1本、国際学会での報告2本、招待講演2本でも発表を重ね、質疑応答などを通して研究の今後の進め方についても示唆を得ることができたが、論文の形による発表は翌年度に持ち越しとなった。執筆段階で上述の新資料の存在が明らかになったため、当初の「既存の土佐日記の英訳を網羅する」という研究目的の完遂のためにも、それを踏まえたうえで論文を完成させるべきと判断したからである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

翻訳者ハリスについて当初の予想よりも多くの資料を発見することができた。その分析に注力したため、他の翻訳者による『土佐日記』の分析については充分に進捗していないが、業績の意義を含む、研究の総体的な進展という点では、計画にもとるものではない。

今後の研究の推進方策

令和2年度については、論文の形での成果発表を行うと共に、ハリス以外の翻訳者による『土佐日記』英訳の分析を可及的速やかに進めるつもりである。本来であれば今年度についても学会報告を積極的に行うべきだが、これについては今般の情勢に鑑みて、来年度の実施となる可能性がある。

報告書

(1件)
  • 2019 実施状況報告書

研究成果

(6件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 図書

  • [学会発表] 紀貫之の〈なごり〉としての日本文学2020

    • 著者名/発表者名
      大野ロベルト
    • 学会等名
      第183回アジアン・フォーラム
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] フロラ・ハリスによる英訳『土佐日記』について2019

    • 著者名/発表者名
      大野ロベルト
    • 学会等名
      中古文学会春季大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] Sailing Back and Forth: Translation of Tosa Nikki by Flora Best Harris2019

    • 著者名/発表者名
      Robert Ono
    • 学会等名
      IAFOR ACAS
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際共著/国際学会である
  • [学会発表] Sad, Warm, and Beautiful: The Origin and Dissemination of Mono no Aware2019

    • 著者名/発表者名
      Robert Ono
    • 学会等名
      The 3rd EAJS Conference in Japan
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際共著/国際学会である
  • [学会発表] 「もののあはれ」をめぐって―過去へ、世界へ、言葉へ2019

    • 著者名/発表者名
      大野ロベルト
    • 学会等名
      国際基督教大学「近世日本史特別研究」ゲスト・スピーカー
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 紀貫之2019

    • 著者名/発表者名
      大野ロベルト
    • 総ページ数
      608
    • 出版者
      東京堂出版
    • ISBN
      9784490210156
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2021-01-27  

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