研究課題/領域番号 |
19K13153
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 金沢大学 (2021-2023) 立命館大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
原 佑介 金沢大学, 人文学系, 准教授 (40778940)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ポストコロニアル文学 / 小林勝 / 村松武司 / 麗羅 / 李恢成 / 植民地主義 / 日本近代文学 / 在日朝鮮人文学 / ポストコロニアル研究 / 江馬修 / 中西伊之助 / 三・一運動 / 戦後日本文学 / 現代韓国文学 / 植民地 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、引揚者文学、在日朝鮮人文学および解放後韓国文学における植民地主義批判の諸相を、「ポスト帝国日本‐文学」という新たな枠組みのなかで統合的に考察する。1920-30年代生まれの日本とコリアの作家を対象とするが、彼らはおもに1960-70年代に植民地問題をテーマにしたテキストを集中的・同時多発的に著したという共通点をもつ。 帝国日本と植民地朝鮮のあいだで揺れ動きながら成長し、戦後東アジア国民国家体制のなかで各自ポストコロニアル作家になっていった旧「皇国少年少女」たちは、その境界をどう乗り越えようとし、何者としてどう出会い(直し)えたのか。それぞれのテキストの比較分析をつうじて考察する。
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研究成果の概要 |
日韓1965年体制期に花開いた日本と朝鮮のポストコロニアル文学は、多様な形で植民地主義批判の論理を構築したが、本研究では、日本のポストコロニアル文学史における代表的な日本人作家である小林勝および村松武司の文学活動の様相を、朝鮮戦争期の動向を中心に明らかにした。併せて、彼らと同世代の在日朝鮮人ポストコロニアル作家である麗羅や李恢成のテクスト分析をおこなった。これらをつうじて、日本の他民族植民地支配の歴史から生まれた多様なポストコロニアル文学の現代的意義を再評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、日韓1965年体制期の日本と朝鮮のポストコロニアル文学を比較研究することをつうじて、日本人作家たちと朝鮮人作家たちが厳しい緊張のなかにありながらもしばしば植民地主義批判においてある種の共闘関係にあったことを明らかにした。おもに1920~30年代生まれのポストコロニアル日本語作家たちがこの時代に競い合うようにして残したテクスト群は、ヘイトスピーチなどの現代的課題に取り組む上でもきわめて貴重な東アジア共有の知的財産だと言える。本研究の最大の社会的意義は、当時の代表的な日本人作家と朝鮮人作家のポストコロニアル文学の連関性を明らかにしたことである。
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