研究課題/領域番号 |
19K13157
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) (2020-2022) 東京学芸大学 (2019) |
研究代表者 |
高嶋 由布子 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 障害福祉研究部, 流動研究員 (40792271)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 日本手話 / 記述言語学 / 非手指要素 / 語彙 / 文法 / 半構造化談話 / 記述文法 / 危機言語 / 映像 / アノテーション / アーカイブ / 辞書 / 動詞 / 消滅危機言語 / 映像ドキュメンテーション / 言語保存 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、消滅危機言語としての日本手話の記述および記録・保存のための基本となる辞書・文法・談話作成のモデルケースを創出する。手話言語では、手指だけでなく顔の表情や姿勢を含む非手指要素が意味や文法を示すが、直感的な記号化の方法が確立していないため、顔を含む映像データを言語資料として付与することが不可欠である。手話話者は多様な言語発達の経緯を持つが、できる限り均質なデータを得るため、手話母語話者12名を中心に調査を行う。倫理的問題を、本研究に参加する話者と協議し、手話話者に合った方法を模索し、解決し、映像データにアノテーションを施したものをアーカイビングセンターに保存し、Web上でも公開する。
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研究実績の概要 |
本研究は、消滅危機言語としての日本手話の記録・保存のための基本となる辞書・文法・談話作成のモデルケースを創出するのが目的である。 研究4年次である本年度は、昨年度に引き続き、データの収集とアノテーション付与、整理を行った。新型感染症拡大下にて対面での調査・撮影ができなかったが、オンラインでの半構造化談話の収集を進めることができた。 語彙調査に関しては、語彙のアノテーションを完了した。論文を投稿するべく、図を作成し、草稿を執筆した。データベースとして公開するために、現在国際的に標準的になってきている手話語彙データベースについて調査を進めた。本研究ではこのデータベースシステムを構築することまではいたらないため、今後の課題として共同研究をはじめる準備をしている。 文法調査は、感染症拡大下で実施を見合わせており、既存の形容詞文データのアノテーションを、手指語彙だけでなく、目、眉、頭、口の動きなどの非手指要素のレイヤー別に詳細に施し、分析を進め、論文執筆を行っている。 談話資料に関しては、オンラインで採集する方法が確立した。半構造化談話の課題は、オンラインで採集することができるようになった。本年度に10組撮影し、目標の12組24名を採録し、そのすべてに手指語彙のミニマルなアノテーションを施すことができた。各々の組につき3つの課題、立場を交代しての6本の短い談話が採集でき、場面別の談話マーカーの記述分析と、動詞文の分析の為のコーパスとして用い、各々分析を進めている。一部の成果は年度末に日本言語学会の口頭発表に発表を応募し、採択された。 本研究で行った日本手話の現状に関しての記述研究をもとに、日本語学会シンポジウムで講演を行った。また、語彙調査を元にした理論研究である概念メタファー論について、共著でブックチャプターを寄稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症のため、対面での文法課題ができなかった。一方で、語彙課題は終了し、談話資料も十分に得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
文法課題に関する対面での調査を再開し、すでに得たデータの分析を進める。限られた時間で分析可能な側面に注目し、研究成果の発表を行う。
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