研究課題/領域番号 |
19K13160
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
仲尾 周一郎 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (10750359)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アラビア語 / クレオール / ナイルサハラ語族 / conjoint/disjoint / 語彙 / 対訳テクスト / ナイル・サハラ語族 / 接触言語学 / 記述言語学 / 社会言語学 / ピジン・クレオール / ピジン / バリ語 / ジュバ・アラビア語 / ヌビ語 / バイリンガリズム / 再語彙化 / 辞書 / 東アフリカ / 脱クレオール化 / 言語接触 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、フィールドワーク・文献調査により、19 世紀南スーダンで発生したアラビア語クレオールが、20 世紀初頭を境に現在東アフリカで話されるヌビ語とジュバ・アラビア語という二つの異なる言語へと分岐していった過程を、語彙史研究の視点から明らかにする。この成果は、①ヌビ語オンライン辞書の作成、②言語接触に起因する言語の分岐/新言語の発生メカニズムの解明、という形に還元しつつ公表する予定である。
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研究実績の概要 |
a本年度は、アラビア語クレオールとその基層言語(バリ語、ナイルサハラ語族)について国際学会発表および国内外でのフィールドワークを行い、これまでの成果をとりまとめた。 2023年8月にはケニア・ナイロビで開催された第16回ナイルサハラ言語学コロキアムにて、バリ語における情報構造や構成性が関わる動詞形態統語論的交替(conjoint/disjoint)とその共時・通時言語学的解釈に関する口頭発表を行った。この研究ではアフリカ言語学の最新のトピックについての稀少な事例研究であるだけでなく、アラビア語クレオールの基層言語が極めて複雑な形態論的交替をもつことを世界で初めて明らかにした。同年9月には引き続きナイロビにてヌビ語の言語調査を行い、イスラーム説話の対訳データを収集した。本データは本研究課題の主眼である語彙研究に資するのみならず、文法研究のためのコーパスとしても、母語教材作成としても利用可能である。同年7~8月には大阪にてジュバ・アラビア語およびバリ語の基礎語彙、動詞使役・非使役交替などの文法現象および対訳テクスト作成などの調査を行った(関連する研究課題により2024年2~3月にも同調査を継続)。この他、2023年度には本研究課題の成果を部分的に含む、アラビア語・ナイルサハラ語族・バンガラ語・ピジン/クレオールに関する論文・その他記事11件、国内研究発表3回の業績が得られた。 以上をもって、本研究課題では、既に出版された論文等のほか、ヌビ語、ジュバ・アラビア語、バリ語3言語の対訳テクスト・語彙・文法注釈、見出し語としては1500語程度(派生語を除く)の文法情報つきヌビ語語彙集、ヌビ語・バリ語による説話資料などのデータベースを、今後種々の研究に利用可能な形で整備した。これらの資料の一部はウェブページにて既に公開済みであるが、引き続き順次これらの資料を完成された形で公開する予定である。
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